2026年上半期に地方から首都圏へ本社を移転した企業は204社となり、過去10年で最多を更新した。一方、首都圏から地方への転出も173社に増え、差し引きでは31社の転入超過となった。(画像は資料写真)
今回のニュースのポイント
帝国データバンクが9月24日に発表した「首都圏『本社移転』動向調査(2026年上半期)」によると、2026年1〜6月に地方から首都圏へ本社を移転した企業は204社となり、過去10年間で最多を更新しました。前年同期(200社)から4社(2.0%)増加し、半期ベースで2年連続の200社超えとなりました。一方、首都圏から地方へ移転した企業も173社と前年同期比15.3%増加しており、差し引きでは31社の転入超過となりました。
本文
帝国データバンクは9月24日、2026年上半期(1〜6月)における首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県)と地方間をまたぐ「本社所在地」の移転動向調査結果を公表しました。なお本調査における「本社」とは実質的な本社機能が所在する事業所を指し、商業登記上の本店所在地とは異なる場合があるほか、首都圏内での県境をまたぐ移動は含まれていません。
同期間中に地方から首都圏へ本社を移転(転入)した企業は204社に上り、過去10年で最多だった2025年上半期(200社)を上回りました。一方で、首都圏から地方へ本社を移転(転出)した企業も173社となり、前年同期の150社から23社(15.3%)増加しました。この転出社数は、コロナ禍で首都圏外への移転が相次いだ2021年上半期(186社)に次ぐ高水準です。首都圏への転入だけでなく地方への転出も増加する中で、差し引き31社の転入超過となり、上半期として2年連続の転入超過となりました。
移転元の地域別では、首都圏への転入企業(204社)のうち「大阪府」からが40社で最多となり、次いで茨城県(20社)、愛知県(15社)、福岡県(14社)、静岡県(12社)が続きました。転入元は計39道府県に広がり、前年同期の33道府県から拡大しました。一方、首都圏からの転出先(173社)でも「大阪府」が25社で最多(前年同期比47.1%増で半期過去最多)となり、以下、茨城県(15社)、静岡県(13社)、群馬県(12社)の順となりました。特に大阪府と首都圏の間では、双方への本社移転がみられました。
企業規模(売上高)別では、首都圏へ転入した204社のうち「1億〜10億円未満」が88社、「10億〜100億円未満」が33社となり、両者をあわせた売上高1億〜100億円未満の企業は121社となり、単純計算で転入企業全体の約59%を占めました。これに対し、地方へ転出した173社では「1億〜10億円未満」が78社で最多となったほか、「1億円未満」の小規模企業が73社(前年同期比18社増)と増加しました。帝国データバンクは、一定の事業基盤を持つ中小・中堅企業の首都圏への流入が目立つ一方、地方への転出では小規模企業の動きが活発化していると分析しています。また、物価高や地価高騰などを背景に、オフィスコストや事業運営コストの抑制を目的とした移転も、一部で転出を後押しした可能性があるとしています。
業種別では、首都圏への転入で「サービス業」が76社と最多で、経営コンサルタント(13社)や事業サービス(12社)、ソフトウェア受託開発(5社)など知識集約型サービスが中心となりました。地方への転出でもサービス業が72社(前年同期比22社増)で最多となったほか、製造業(31社)の転出も増加しました。
帝国データバンクは今回の動向について、企業間での対面営業や出社回帰を重視する動きのほか、顧客や高度人材が集積する首都圏の立地優位性を評価する意向が後押ししたと分析しています。一方で地方移転にはコスト抑制などが背景にあるとし、今後は首都圏への集中と機能分散の動きが併存する局面が続くと提示しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













