米ミシガン州、産業脱炭素化調査に188万ドル フォードなど5団体に交付

2026年09月29日 09:07

ミシガン州

五大湖に囲まれた米ミシガン州の位置と産業拠点を示すイメージ。州政府は産業施設などの脱炭素化に向けた実現可能性調査を支援し、フォード・モーターなど5団体に総額188万2750ドルを交付する(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米ミシガン州の環境・五大湖・エネルギー局(EGLE)は9月28日、産業施設などの脱炭素化に向けた実現可能性調査(フィジビリティスタディ)を行う5団体に対し、計188万2750ドルの助成金を交付すると発表しました。最大交付額はフォード・モーター(Ford Motor Company)への57万7655ドルで、ウェインにある「ミシガン組立工場(Michigan Assembly Plant)」の脱炭素化策を調査します。このほか醸造所、製造プロセスの電化、低炭素セメント、動物園施設などを対象とし、温室効果ガスの削減効果だけでなくエネルギーコストや必要となる労働力なども検証します。州は官民連携組織「MI ICIP」も立ち上げ、調査成果を将来の実装につなげる考えです。

本文
 米ミシガン州の環境・五大湖・エネルギー局(EGLE)は9月28日、気候変動対策プログラム「MI Healthy Climate Challenge」の一環として、州内産業施設などの脱炭素化に関する実現可能性調査を行う5団体に対し、総額188万2750ドルの助成金を交付すると発表しました。今回の支援は設備導入そのものではなく、個別施設で脱炭素化策を検討する実現可能性調査の段階に公費を投入するものです。

 採択された5団体のうち最高額となったのは、自動車大手フォード・モーターへの57万7655ドルです。同社はウェインにある「ミシガン組立工場」を対象に、脱炭素化に向けた実現可能性調査を進めます。今回の交付決定は調査費用に対する公的支援であり、具体的な設備改修の決定や着工時期、導入する新設備などが確定したものではありません。

 残る採択先も多様な産業・施設分野が対象となっています。「Michigan Green Building Collaborative」に41万8282ドル、「Bell’s Brewery」に35万ドル、「Michigan Technological University」に27万6813ドル、「Detroit Zoological Society」に26万ドルがそれぞれ交付されます。調査領域は、製造プロセス熱の電化、ユーティリティ設備の更新、自動車向け金属加工、プラスチックや家具の製造、低炭素セメントの活用、動物園キャンパスのネットゼロ化まで多岐にわたります。評価項目には、温室効果ガス排出量の削減余地にとどまらず、エネルギーコスト、必要となる労働力、周辺地域への影響なども含まれます。

 ミシガン州は今回の助成金交付に合わせ、官民連携プラットフォーム「Michigan Industrial Clean Innovation Partnership(MI ICIP)」を新たに発足させました。州政府、非営利団体、技術専門家、産業施設などを結びつけ、実践事例の共有や技術的な障壁の解決を図り、実現可能性調査を具体的な導入へつなげる枠組みです。

 自動車産業をはじめとする製造業が集積するミシガン州において、産業設備の脱炭素化を進めるには、個々の施設に応じた技術的な検討や、エネルギーコスト、必要な労働力などの検証が必要となります。同州は一律の設備導入補助にとどまらず、州全体の可能性分析、個別施設での実現可能性調査、そして官民連携による実装基盤の整備という多角的なステップで、実現可能性調査を具体的な脱炭素化プロジェクトの実装へつなげる産業政策を進めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)