Samsung6社、AIインフラに10億ドル投資 DC・電力・通信網を一体整備

2026年09月30日 07:30

大規模データセンター

大規模データセンターのイメージ。Samsungグループ6社はAIインフラ企業Helixに計10億ドルを投資する。Helixはデータセンターに加え、発電、送配電、光ファイバー網までを投資・開発対象としている(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

Samsung ElectronicsをはじめとするSamsungグループ6社は9月29日、AIインフラ専門企業であるHelix Digital Infrastructureに計10億ドルを出資すると発表しました。このうちSamsung Electronicsの出資額は5億ドルとなります。HelixはKKRが2026年6月に立ち上げたAIインフラの投資・開発会社で、ハイパースケールデータセンターにとどまらず、発電、送配電インフラ、光ファイバー網までを含めたAIインフラを一体的に開発・構築します。Samsungの発表によると、Helixは電力の利用可能性を現在のAIインフラにおける最大のボトルネックと認識しています。

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 Samsung ElectronicsなどSamsungグループ6社は9月29日、AIインフラ企業であるHelix Digital Infrastructure(以下、Helix)に合計10億ドルを投資すると発表しました。人工知能(AI)の急速な普及に伴いデータセンター需要が世界的に急増するなか、データセンター建屋だけでなく、発電設備や送配電網、光ファイバー通信網までを含めたインフラ基盤を一体的に整備するHelixへ資金を投入します。

 今回の共同投資に参加するのは、Samsung Electronics、Samsung C&T(サムスン物産)、Samsung SDS、Samsung SDI、Samsung Life Insurance(サムスン生命)、Samsung Fire & Marine Insurance(サムスン火災)のグループ6社です。投資総額10億ドルのうち、Samsung Electronicsが5億ドルを拠出します(残り5億ドルのグループ各社別内訳は非公表)。

 資金の受け手となるHelixは、米大手投資会社KKRが2026年6月に創設したAIインフラの投資・開発プラットフォーム企業です。Helixの事業対象領域は、大型のハイパースケールデータセンターの建設・運営にとどまらず、ベースロード電源や出力調整可能な電源を含む発電事業、送配電インフラの整備、さらにデータセンター間を結ぶ光ファイバー網の敷設まで多岐にわたります。AIの稼働に必要なインフラストラクチャーを、電源供給から通信ネットワークまで包括的に構築する計画です。

 今回の投資の背景として、Samsungの発表によると、Helixは電力の利用可能性(アベイラビリティ)を現在のAIインフラにおける最大のボトルネックと認識しています。そのためHelixはデータセンターと電力インフラの双方を投資対象とし、直接投資や大手エネルギー開発会社との戦略的提携を通じて、エネルギー容量を確保する計画です。

 また、今回の参画は単なる金融投資にとどまらず、Samsungグループが有する各種AIインフラ関連事業との連携も想定されています。Samsung Electronicsは半導体製品を手掛け、Samsung SDSはデータセンターの設計・建設・運営に加え、GPUaaS(GPU as a Service)事業にも参入しています。

 特にデータセンターの熱対策においては、Samsung Electronics傘下のFläktGroupが冷却・空調ソリューションを担当します。同社は世界14カ所に生産拠点を有し、65カ国で販売・サービス網を展開しています。さらにSamsung SDIは、無停電電源装置(UPS)やバッテリーバックアップユニット(BBU)分野の技術を持ち、同分野で新たな事業機会を探る方針です。これにより、半導体からデータセンター建設、冷却システム、UPS・BBU、発電・送配電、光通信に至るまで、Samsungグループの事業領域とHelixのインフラ整備領域が密接に連動する構図となります。

 Helixの創設投資家陣には、Samsungグループのほか、設立母体であるKKR、Kuwait Investment Authority(クウェート投資庁)、NVIDIA、米電力大手のVistraなどが名を連ねています。拡大するAI需要を背景に、半導体や建屋だけでなく電力網までを見据えた包括的なインフラ開発への資金投入が進むなか、Samsungグループは10億ドルの出資を通じ、Helixとともに世界のAIデータセンター展開を加速し、参加各社間の連携を進める方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)