米UEC、ウラン生産を3拠点体制へ 精製・転換まで国内供給網構築を計画

2026年09月30日 08:49

ウラン生産加工イメージ

米国内のウラン生産・加工設備のイメージ。UECは2カ所のISR鉱山で生産を進めながら、3番目のLudemanプロジェクトや精製・転換施設の開発を進めている(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米ウラン開発大手のUranium Energy Corp(UEC)は9月29日、米国内におけるウランの生産および加工体制の拡張状況を発表しました。現在はワイオミング州のChristensen Ranchとテキサス州のBurke Hollowの2拠点で原位置回収(ISR)方式による生産を行っており、ワイオミング州のLudemanプロジェクトを3番目のISR鉱山として建設・開発しています。あわせて子会社を通じてウランの精製・転換施設の開発計画も推進しており、米国内で採掘から加工までを一貫して手掛ける供給網の構築を目指しています。

本文
 米ウラン開発会社のUranium Energy Corp(UEC)は、米国内におけるウランの生産および加工体制の拡大を進めています。現在稼働する2カ所のISR(原位置回収)拠点に続き、ワイオミング州で3カ所目となるLudemanプロジェクトの建設を推進しているほか、ウランの精製・転換施設の開発計画も進めており、採掘から加工までを米国内で完結させる供給網の構築を図っています。

 現在、UECはワイオミング州のChristensen Ranchと、テキサス州のBurke Hollowの2拠点でウランを生産しています。2026年度第4四半期(2026年5〜7月期)のウラン生産量は合計8万2,744ポンドとなり、前四半期の3万2,195ポンドから157%増加しました。内訳はChristensen Ranchが6万5,392ポンド、本格稼働後初の四半期となったBurke Hollowが1万7,352ポンドとなっており、2拠点による生産体制への移行が進んでいます。

 現場での設備増強も具体化しています。Christensen Ranchでは9月28日、新たに4つのヘッダーハウス(坑井管理施設)について規制当局からの最終承認を取得し、今後数週間以内に生産を開始する見通しです。さらに3つのヘッダーハウスを建設しているほか、Powder River Basinで稼働する掘削リグは年度末時点で17基(前年は12基)、South Texasでも21基(前年は8基)へ増強されました。

 3番目のISR鉱山となるLudemanプロジェクトでは、最初の生産区域に向けて監視井、注入井、回収井の建設・試験作業を進めています。現地ではプラント用地の土木設計が完了して建設業者が選定されたほか、送電線の位置決定や長納期設備の調達着手など、開発作業が具体化しています。

 さらにUECは、ウランの採掘・生産に加え、子会社のUranium Refining & Conversion Corp(UR&C)を通じて米国内でのウラン精製・転換施設の開発計画を進めています。大手エンジニアリングのFluorと協力して設計や許認可申請の準備を進めており、施設建設に向けた詳細なコスト見積もりを2027年半ばまでにまとめる計画です。これにより、ウラン採掘から精製・転換に至る一連の国内サプライチェーンの構築を目指しています。

 こうした体制整備の背景には、米政府による国内ウラン調達の動きもあります。米国家核安全保障局(NNSA)が示した情報提供要請(RFI)では、早ければ2030年からの供給開始を想定した年間400万ポンド規模の米国由来ウラン(U3O8)および年間1,500トンU相当の転換サービス(UF6)の確保に向けた情報を求めています。UECは自社の生産・加工基盤がこうした需要に対応可能であるとの見解を示しています。

 UECは既存の生産体制を強化しつつ、Ludemanの開発や精製・転換施設の計画を進めることで、米国内でウランの生産から加工までを一貫して手掛ける体制の確立を目指すとしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)