今回のニュースのポイント
レゾナックは10月2日、旭化成および日揮ホールディングス(HD)がNEDOのグリーンイノベーション(GI)基金事業として進める実証事業において、グリーンアンモニアの供給事業者として協力すると発表しました。福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された再生可能エネルギー由来の水素を原料に、日揮HDが建設した実証プラントでグリーンアンモニアを製造し、レゾナックが9月から県内の火力発電所へ順次供給を開始しています。実証プロジェクトの中で、製造から購入・輸送、需要家への実供給までがつながった格好です。なお、供給先の火力発電所での用途は燃料としてではなく、既存設備の排煙脱硝用として利用されます。
本文
レゾナックは10月2日、旭化成と日揮ホールディングス(HD)が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業の一環として推進する「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発およびグリーンケミカルプラントの実証」において、グリーンアンモニアの供給・販売事業者として協力することを発表しました。
今回の取り組みは、福島県内におけるグリーンアンモニア供給の「地産地消」モデルを検証するものです。製造の舞台となるのは福島県浪江町で、同町にある「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された再生可能エネルギー由来の水素を原料とし、日揮HDが同町内に建設した実証プラント(製造能力は日量4トンを予定)においてグリーンアンモニアを製造します。レゾナックはこの実証プラントで製造されたグリーンアンモニアを購入し、自社の既存ネットワークや安全輸送機能を活用して県内の火力発電所へ供給・輸送する役割を担います。
具体的な供給先として、株式会社JERAの広野火力発電所、広野IGCCパワー合同会社、常磐共同火力株式会社の勿来発電所、相馬共同火力発電株式会社の新地発電所、東北電力株式会社の原町火力発電所が挙げられています。浪江町の実証拠点から、県内に点在する主要発電拠点へ9月から順次実供給が行われています。
供給されるグリーンアンモニアの用途は、火力発電の燃料(混焼・専焼)としてではなく、発電所の環境対策設備である排煙脱硝となります。排煙脱硝では、排ガス中の窒素酸化物(NOx)とアンモニアを反応させ、窒素と水に分解します。今回供給するグリーンアンモニアも、この既存の排煙脱硝用途に利用される予定です。
本取り組みの背景にあるNEDOのGI基金では、「再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造」プロジェクト全体に対して予算上限1070.5億円が設定されています。1070.5億円は今回の浪江町での実証事業単独の事業費ではなく、同プロジェクト全体の予算上限です。旭化成と日揮HDは、このプロジェクトの研究開発項目の一つとして、大規模アルカリ型水電解装置の開発とグリーンケミカル実証を進めており、当初の計画に沿って「需要家への実供給を含むサプライチェーンの検証」が具体化した動きと言えます。
今回、実証プロジェクトの中で、グリーンアンモニアの製造から購入・輸送、既存火力発電所への実供給までがつながることになります。日量4トン予定の実証設備を起点に、地域内で製造したグリーンアンモニアを既存の需要先へ供給するモデルを検証する段階に入っています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













