インド・ドレラで建設が進む大規模半導体Fabをめぐり、タタ・エレクトロニクスは住友化学、双日・NRSと相次いでMoUを締結。高純度化学品などの材料供給やインド国内での生産可能性、輸送・保管を含むサプライチェーン構築を検討する。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
タタ・エレクトロニクス(Tata Electronics)がインド・グジャラート州ドレラで進める計画投資規模9100億ルピーの半導体工場(Fab)構想に対し、日本企業による材料・物流分野の提携発表が相次ぎました。タタは住友化学と覚書(MoU)を締結し、フォトレジストや高純度化学品の供給に関する協業と、インド国内での生産可能性を検討します。さらにタタは双日、NRSとも3社間MoUを締結し、重要半導体材料の供給・保管に関する協業枠組みを設け、サプライチェーン管理体制を検討・検証します。インド初の商用12インチFabに向け、材料・物流を含む周辺サプライチェーンの構築が検討されています。
本文
インドのタタ・グループで半導体製造を担うタタ・エレクトロニクスは、同国グジャラート州ドレラ(Dholera)で建設を進める大規模な半導体製造工場(Fab)プロジェクトにおいて、材料供給および専用物流インフラの構築に向け、日本企業との相次ぐ提携を発表しました。
受け皿となるドレラFabは、タタ側が計画投資規模9100億ルピーを掲げるプロジェクトであり、インド初となる300mm(12インチ)ウェハ対応の商用半導体製造施設と位置付けられています。なお、この9100億ルピーという金額はタタ側の施設建設・整備に係る計画事業規模であり、今回提携した日本企業側の投資額ではありません。
材料供給の分野では、タタ・エレクトロニクスと住友化学が高品質な半導体材料に関するMoUを締結しました。本提携では、回路形成に用いられるフォトレジスト(感光材)や機能性化学品のほか、製造・洗浄プロセスで不可欠となる高純度過酸化水素、高純度イソプロピルアルコール(IPA)、高純度アンモニア水、高純度硫酸などの各種高純度化学品が協力対象として挙げられています。
半導体Fabの安定稼働には、超微細加工に対応した極めて不純物の少ない高純度化学品の継続的な調達が必須となります。今回の取り組みでは、ドレラFabへのこれらの材料供給に関する協業を検討します。さらに一歩踏み込んだ内容として、タタ・エレクトロニクスは住友化学による高純度化学品をはじめとする半導体材料について、将来的なインド国内での生産(現地化)の可能性探求を支援・検討することで合意しました。ただし現段階はMoUの締結にとどまり、住友化学による現地工場の建設や具体的な投資額、操業時期などが確定したわけではありません。
一方、材料を工場まで安全に届け、保管する物流・供給網の構築においては、タタ・エレクトロニクス、双日、NRSの3社による協業枠組みを定めたMoUが締結されました。3社はドレラFabに必要な重要半導体材料について、供給・保管に関する協業枠組みを設け、双日とNRSがサプライチェーン管理体制を検討・検証します。
本提携に基づき双日とNRSは、ドレラ産業都市開発公社(DICDL)との間でドレラ特別投資地域(DSIR)内における適地確保に向けた協議を進めるとともに、半導体材料の輸入、輸送、保管、取り扱い、管理に必要となる許認可や規制体系の評価を進めます。半導体材料の輸入から輸送、保管、取り扱い、管理までを含むサプライチェーン構築に向けた検討が進められます。
インドでは同地域において、材料、物流、先端パッケージング、SiC、設計、人材など、Fab周辺の産業基盤を広げる提携や発表が相次いでいます。
今回の2件は、9100億ルピー規模のFab本体だけでなく、製造工程で使用する高純度材料の調達や、輸送・保管を含む周辺サプライチェーンの整備を対象としています。住友化学による材料供給と現地生産の検討、双日およびNRSによる供給・保管物流網の検討という、製造の前後に位置する周辺サプライチェーンの構築に向けた検証が動き出しました。今後、これらの検討が具体的な投資や施設整備へと移行していくかが注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













