ドイツ、リチウム・レアアース2案件に最大2億ユーロ 政府基金が資源確保に資金

2026年10月04日 13:21

ドイツ資金イメージ

ドイツ政府は原材料基金を通じ、ドイツ国内のリチウム生産プロジェクトに最大1億5000万ユーロ、豪州のレアアース確保を目的とするプロジェクトに5000万ユーロを投じる。重要鉱物の供給確保に向け、政府基金が国内外の具体的な資源案件への資金供給に入っている(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

ドイツ政府は、2025年12月に始動した投資枠組み「Deutschlandfonds」を構成する仕組みの一つである「原材料基金(Rohstofffonds)」について、これまでに2件の資金供給について契約を締結しました。豪州企業Vulcan Energyが手がけるドイツ・上ライン地溝帯でのリチウム生産プロジェクトに最大1億5000万ユーロで参画するほか、豪州企業Arafura Rare Earthsがオーストラリアのノーザンテリトリー州で進めるレアアース確保のための「Nolansプロジェクト」に5000万ユーロを投じます。原材料基金を15億ユーロへ増額する案については、2027年度予算をめぐる議会審議の対象となっています。

本文
 産業に欠かせない重要鉱物をいかにして確保するか。ドイツ政府が打ち出しているのは、政策目標を掲げるだけでなく、具体的な資源開発プロジェクトに対して政府基金から資金供給を行うアプローチです。

 ドイツ連邦議会の10月2日付資料によると、政府は2025年12月に開始した投資推進枠組み「Deutschlandfonds」を構成する仕組みの一つである「原材料基金(Rohstofffonds)」を通じて、すでに2件の資金供給について契約を締結しました。

 一つ目の案件は、豪州に拠点を置くVulcan Energyが推進する「ドイツ国内」の上ライン地溝帯(Oberrheingraben)でのリチウム生産プロジェクトです。政府の原材料基金が、Vulcan Energyによる投資に最大1億5000万ユーロで参画します。ドイツ国内のリチウム資源開発に、政府の原材料基金が資金面から参画する形です。

 二つ目の案件は、同じく豪州のArafura Rare Earthsが「オーストラリア現地」のノーザンテリトリー州で進める「Nolansプロジェクト」です。政府はこちらに5000万ユーロを投資します。レアアースの確保を目的として、海外の資源開発案件に対しても政府資金を投入する構造になっています。

 署名済みの2件の資金供給は、Vulcan Energy向けの上限額を含め最大2億ユーロ規模となります。さらに政府は、この原材料基金の規模を15億ユーロへ増額する案も示していますが、これは決定事項ではなく、現在行われている2027年度予算をめぐる議会審議の対象となっています。

 ドイツ政府は10月2日時点の回答において、Deutschlandfonds全体について「立ち上がり段階(im Hochlauf)」にあると説明しています。動員された資本の最終的な規模については今後の定期報告で示すとしており、Deutschlandfonds全体は立ち上がり段階にある一方、その構成要素である原材料基金では、すでに2件の資金供給が署名済みとなっています。

 単なる補助金の交付や規制緩和にとどまらず、自国および海外の具体的な資源開発案件に対して政府基金から資金を入れるドイツの試み。産業に必要な原材料の供給網をどう確保するのかという課題に対し、政府基金を具体的な資源案件への資金供給に使う動きが進んでいます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)