リコー、複合機の新規資源使用率を76%から最小21%に 回収部品から最新世代機

2026年10月05日 15:07

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回収部品を活用した最新世代の複合機生産「Circular New」を展開するリコー。対象機種では新規資源使用率を最小約21%まで低減する(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

リコーとエトリアは10月5日、使用済み製品から回収した部品を活用し、最新世代の複合機を新たに生産する新事業「Circular New(サーキュラーニュー)」を開始すると発表しました。消費地近接型の循環生産モデルにより、対象のA3モノクロ複合機(RICOH IM 6010/4510/3510/2510)において、従来のアジア地域での集約生産で約76%(重量比)だった新規資源使用率を、最小約21%まで低減するとしています(自社調べで業界初)。2027年前半から日本の御殿場事業所とフランス拠点で順次生産を開始し、長距離輸送の削減に伴う環境負荷低減を図るほか、新規資源への依存度を下げ、地政学リスクや物流網の混乱、資源調達リスクの影響を受けにくい生産体制を目指します。

本文
 資源価格の変動や地政学リスク、サプライチェーン(供給網)の混乱が製造業の課題となる中、使用済み製品に含まれる資源や部品を次の製品へ戻し、新規資源への依存を抑えながら安定供給につなげる生産方式が模索されています。

 リコーとエトリアは10月5日、使い終わった複合機から回収した部品を活用し、現行の最新世代機として新造生産する循環生産事業「Circular New(サーキュラーニュー)」の立ち上げを発表しました。従来の中古機整備や整備再製造とは異なり、回収製品を部品・資源レベルで選別し、最新ラインアップの新製品として生産する点が特徴です。

 最大のポイントは、新調達する資源への依存度を大きく下げる点です。第一弾となるA3モノクロ複合機「RICOH IM 6010/4510/3510/2510」シリーズにおいて、従来のアジア地域での集約生産品では新規資源の使用率が約76%(重量比)でしたが、消費地近接型の循環生産品ではこれを最小約21%まで低減するとしています(回収部品の活用状況などにより変動)。同社によると、使用済み製品の部品を活用して新規資源使用率を最小約21%まで抑えた新造機の生産は、事務機器業界で初(2026年9月時点の自社調べ)となります。

 部品単位での循環を可能にした背景には、エトリアによる製品設計段階からの工夫があります。世代や機種を越えたフレーム・主要部品の共通化をはじめ、長寿命化設計や分解・交換しやすい構造を採用。そこに製品・部品ごとの個体識別情報(デジタルデータ)や選別・品質保証技術を組み合わせることで、「どの部品を次の最新機に戻せるか」を正確に判定・再利用する仕組みを構築しました。

 生産体制の面では、2027年前半から日本および欧州市場向けに「消費地生産」を開始します。具体的には、日本の御殿場事業所(静岡県)とフランスの拠点(ETRIA MANUFACTURING FRANCE S.A.)で生産を行います。消費地(売る場所)の近くで回収から生産までを循環させることで、長距離輸送の削減によって輸送に伴う環境負荷を低減すると同時に、新規資源への依存度を下げ、資源調達や地政学、物流網の混乱による影響を受けにくい生産体制の構築を目指します。

 リコーグループは別途、製品の新規資源使用率を2030年に60%、2050年に12%まで引き下げる目標を掲げています。また、エトリアの複合機エンジンの市場シェアを2030年度に30%とする成長戦略を掲げており、Circular Newをその核となる施策の一つに位置付けています。

 リコーとエトリアの取り組みは、資源循環を製品設計や部品共通化、供給リスクへの対応まで含めた製造・供給モデルとして位置付けるものです。2027年前半に日本とフランスで始まる消費地生産が、製造業における資源調達リスクの軽減や競争力強化にどう寄与していくかが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)