AOI、今年3回目の株式調達完了 5.88億ドル確保、AI向け光部品を月65万台へ

2026年10月06日 11:29

AIデータセンター

AIデータセンターの高速通信を支えるネットワーク設備のイメージ。AOIは800G・1.6T光トランシーバーの製造能力を2026年末までに月約65万台へ引き上げる計画を進めている(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米光通信機器大手のApplied Optoelectronics(AOI)は10月5日、最大6億ドルとしていた「アット・ザ・マーケット(ATM)」形式による株式発行プログラムを完了したと発表しました。569万4,845株を平均105.36ドルで売却し、手数料等を控除した純手取り額は約5億8,800万ドル(5億8,799万9,985.89ドル)となりました。今回のATMは同社にとって2026年で3度目となります。AOIはAIデータセンター向け800G・1.6T光トランシーバーの需要増に対応し、製造能力を月20万台弱から2026年末に月約65万台規模へ引き上げる計画も進めています。

本文
 AIデータセンターの構築においては、GPUやアクセラレーター等の計算資源の確保に加え、装置間を高速で接続する光通信インフラの増強が不可欠となっています。光通信デバイスを手掛けるAOIが10月5日に発表した約5億8,800万ドルの資金調達完了は、急速に高まる高速光接続の需要に対し、設備投資や資金基盤を固める動きを示すものとなります。

 AOIは10月5日、8月21日に目論見書補足書を提出した最大6億ドルのATM株式発行プログラムを完了したと公表しました。本プログラムを通じて569万4,845株を平均105.36ドルで売却し、諸費用差し引き後の手取り額として約5億8,800万ドルを獲得しています。調達資金の用途としては、債務返済や運転資金のほか、主としてデータセンター向け光デバイスの製造拡張を支える設備投資などが挙げられています。

 今回の資金調達は、同社が2026年に入って進めてきた継続的な株式調達の一環です。同社は2月に1回目のATMを開始し、4月に完了しました。5月には最大6億ドルの2回目のATMを開始し、6月末以降も株式を追加売却しています。今回完了した3回目のATMでは、手数料等控除後で約5億8,800万ドルを確保しました。

 一連の資金確保の背景には、主要顧客からの高速光トランシーバーの量産受注拡大があります。AOIは3月に主要ハイパースケール顧客から1.6Tトランシーバーの初量産受注を獲得し、4月には800G製品でも追加の大型受注を獲得しました。これに伴い、第2四半期決算時点で月20万台に近かった800Gおよび1.6T製品の製造能力を、2026年末までに月約65万台規模へと大幅に拡充する計画を進めています。

 製造体制の面では、テキサス州ヒューストン地域における物理的拠点の拡張も並行して進んでいます。同社は2月にシュガーランド本社近くで21万平方フィートの新施設を着工し、本社等の投資計画を最大3億ドル規模へ引き上げました。さらに4月にはピアランドで隣接する2施設を取得し、約38万8,000平方フィートの製造スペースを追加する計画を発表。7月には両施設で建設を開始しました。これによりヒューストン地域の拠点面積は約90万平方フィート規模となり、将来的には同地域だけで800G・1.6T製品を月最大70万台生産できる体制や、2027年末までにレーザー製造能力を約350%拡大する目標を掲げています。

 AIインフラ投資においては、半導体や電力設備のみならず、計算装置間を結ぶ光通信分野でも製造能力の拡張と資本の導入が同時に進行しています。今回の約5億8,800万ドルの調達完了は、量産受注と工場拡張が続く中、生産能力の引き上げを支える資本基盤がさらに強化された形です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)