今回のニュースのポイント
小野薬品工業が2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比9.6%減の2,325億円となった一方、コア営業利益は同5.1%増の736億円(IFRS営業利益は11.2%増の579億円)と減収増益を確保しました。国内における「フォシーガ錠」の共同販売契約終了に伴い同社での売上計上がなくなった影響を受けたものの、海外製品の販売拡大や「オプジーボ」等のロイヤルティを含む収入の増加が利益を支えました。通期予想は据え置いています。
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医薬品大手の小野薬品工業は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月)の連結決算(IFRS)を発表しました。売上収益は前年同期比9.6%減の2,325億円(2,325億400万円)と約246億円の減収となった一方、事業本来の収益力を示す指標として同社が重視するコア営業利益は同5.1%増の736億円(736億2,600万円)となりました。また、財務会計上のIFRS営業利益は同11.2%増の579億円(579億700万円)、親会社の所有者に帰属する中間利益は同12.1%増の449億円(449億3,000万円)と、減収ながら増益を達成しました。
減収の主因となったのは国内における販売体制の変更です。英アストラゼネカとの糖尿病・心不全治療薬「フォシーガ錠」に関する共同販売契約が終了したことに伴い、前年同期に計上していた488億円の売上計上が今中間期は完全になくなりました。なお、終了したのは小野薬品工業による共同販売契約であり、日本国内におけるフォシーガ自体の販売が終了したわけではありません。これに薬価改定の影響なども加わり、国内製品・商品売上は前年同期比33.9%減の968億円(前年同期は1,463億円)と495億円減少しました。国内の主力品である抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」も競争激化により同2.3%減の572億円となりました。
一方、収益を下支えしたのが海外自社販売製品の伸長とロイヤルティ等による収入の拡大です。海外製品・商品売上は前年同期比37.2%増の394億円に達しました。米デサイフェラ社を通じて展開する消化管間質腫瘍治療剤「キンロック」が同25.6%増の228億円、腱滑膜巨細胞腫治療剤「ロンビムザ」が販売地域の拡大などにより同215.8%増の87億円と大きく伸長しました。
さらに、ロイヤルティおよびその他を含む収入区分(ロイヤルティ・その他)は、前年同期比17.3%増の964億円(前年同期は822億円)へ拡大しました。この区分には各種ロイヤルティに加えその他の収益項目も含まれており、米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社からのオプジーボ関連ロイヤルティ収入が前年同期比97億円増の691億円となったほか、米メルク社からの「キイトルーダ」関連ロイヤルティ収入も同23億円増の161億円に達しました。フォシーガの共同販売終了に伴う仕入原価やコ・プロモーション費用の減少に加え、これら高収益なロイヤルティ等の収入増加が利益を押し上げました。
販売構成の変化を反映し、顧客所在地別の売上収益では地域別の逆転が生じました。前年同期は日本向けが1,488億円で米国向けの935億円を上回っていましたが、今中間期は米国向けが1,158億円(前年同期比223億円増)へと拡大し、国内売上が減少した日本向け(988億円)を上回りました。顧客所在地別の売上収益では、前年同期と比べて米国向けの比重が高まったことが確認できます。
2027年3月期の通期連結業績予想については、期初公表の数値を据え置きました。売上収益は前期比11.8%減の4,550億円を見込む一方、利益面ではIFRS営業利益が同1.9%増の940億円となるのに対し、コア営業利益は同9.6%減の1,240億円と、利益指標によって、前期比の増減方向が分かれています。年間配当予想は前期と同水準となる1株あたり80円(中間配当40円、期末配当予想40円)を維持しました。
研究開発面では、将来の成長を見据えて売上比率30%超に相当する通期1,430億円の研究開発費を計画しています。足元では、2026年9月に日本国内でてんかん治療薬「エキスコプリ錠」の承認を取得したほか、10月には米Biohaven社と自己免疫疾患領域の「IgG分解薬」に関する独占ライセンス契約を締結するなど、国内契約終了の影響を補う次世代パイプラインの拡充を進めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













