東邦ガス、中間期は営業赤字3億円 原料費調整の時間差響く、通期純利益予想は上方修正

2026年10月29日 12:52

今回のニュースのポイント

東邦ガスが2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算は、売上高が前年同期比0.7%増の3,091億円となった一方、営業損益は前年同期の238億円の黒字から3億円の赤字に転落しました。原料価格の料金反映に伴う時間差(スライドタイムラグ)の差損発生や電気事業の調達費増加が響きました。一方、政策保有株式などの追加的な資産売却益を見込み、通期の親会社株主帰属当期純利益予想は前回の230億円から280億円へ上方修正しました。

本文
 東邦ガスが2026年10月29日に発表した2027年3月期中間決算(2026年4~9月、日本基準・連結)は、売上高が前年同期比0.7%増の3,091億円となった一方、営業損益は前年同期の238億円の黒字から3億円の営業赤字(3億5,800万円の営業損失)に転落しました。経常利益は同87.9%減の32億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同66.5%減の67億円と大幅な減益となりました。

 営業損益が大幅に悪化した主因は、原料費調整制度に伴う原料価格の料金反映の時間差(スライドタイムラグ)です。前年同期は90億円の差益が生じていたのに対し、今中間期は原料価格の上昇傾向により190億円の差損へ転じ、前年同期比で280億円の収支悪化要因となりました。原材料在庫の受払差(プラス70億円)などを加味した原料関連の市況変動等の影響全体でも、前年同期比165億円の押し下げ要因となりました。なお、会社側はエネルギー市況の変動に伴う各事業への影響が相殺されたことで、収支影響全体としては概ね想定通りに推移したと説明しています。

 事業別では、主力のガス事業の営業利益が前年同期の193億円から6億円へと96.5%減少しました。ガス事業自体は黒字を維持したものの、スライドタイムラグの影響が収益を大きく圧迫しました。一方、ガス事業の原料動向とは別に、電気事業では売上高が前年同期比4.1%増の522億円と増収となったものの、電力調達費用の増加などが重荷となり、前年同期の12億円の黒字から62億円の営業赤字へと約75億円悪化しました。

 中間期末のエネルギー顧客数は、ガス・LPG・電気の合計で前年同期比1.1%増の314万件と順調に拡大しました。一方、販売量は気温影響などにより総じて減少しました。都市ガスの販売量は4~5月の高気温や顧客設備稼働の低下により同2.5%減の15億2,900万立方メートル、電気の販売量は前年夏の猛暑による需要増の反動から同4.0%減の13億7,300万kWhとなりました。

 同社は中間期の進捗を踏まえ、2027年3月期の通期連結業績予想を修正しました。売上高予想は前回予想比300億円増の7,000億円(前期比7.5%増)に引き上げた一方、本業の収益力を示す営業利益予想は190億円(同40.2%減)、経常利益予想は250億円(同34.0%減)を据え置きました。10月以降の前提条件として、原油価格を前回の1バレル=100ドルから115ドルへ引き上げ、為替レートは1ドル=160円を想定しています。

 これに対し、親会社株主に帰属する当期純利益予想は前回予想の230億円から280億円へ50億円上方修正しました。前期実績比では11.0%の減益見通しとなるものの、中間期に計上した政策保有株式売却益(34億円)に加え、今後想定される政策保有株式等の資産売却に伴う特別利益の追加計上を見込んだことが引き上げの背景です。本業の営業損益の推移と、資産売却益を反映した最終利益の見通しが対照的な動きを示しています。

 資本政策の面では、新たに取得総額170億円または2,000万株を上限とする自己株式取得の実施を決議しました。取得期間は2026年10月30日から2027年4月30日までです。なお、従来進めていた上限150億円(株式分割前400万株)の自己株式取得は9月末までに計画通り完了しています。同社は2026年4月1日付で1株を4株に分割しており、通期の年間配当予想は前期と同水準となる1株あたり22.50円(中間配当11.25円、期末配当予想11.25円)を維持しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)