今回のニュースのポイント
東京電力ホールディングスが2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算は、売上高が前年同期比3.8%増の3兆2,713億円となった一方、電力調達費用の増加などが重なり営業損益は336億円の赤字に転落しました。電力販売の東京電力エナジーパートナーと送配電の東京電力パワーグリッドがともに経常赤字を計上しました。親会社株主に帰属する中間純損益は前年同期に計上した巨額の災害特別損失の反動などから527億円の黒字へ転換しましたが、本業の収益環境は厳しさを増しています。なお、通期業績予想は未定としています。
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東京電力ホールディングス(東京電力HD、9501)は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月、日本基準・連結)の決算を発表しました。売上高は前年同期比3.8%増の3兆2,713億円(3兆2,713億1,000万円)と増収を確保したものの、燃料・卸電力市場価格の高騰に伴う調達費用の増加などが響き、本業の営業損益は前年同期の2,170億円の黒字から336億円の赤字(マイナス336億6,400万円)へと転落しました。前年同期からの悪化額は約2,507億円に達します。一方、持分法投資利益などを反映した経常利益は同67.9%減の906億円(906億2,900万円)となり、親会社株主に帰属する中間純損益は前年同期の7,123億円の赤字から527億円の黒字(527億2,400万円)へと転換しました。
営業赤字に転落した主因は、グループの中核である電力小売と一般送配電事業の双方が採算悪化に直面した点にあります。電力販売を担う東京電力エナジーパートナー(EP)の経常損益は、前年同期の1,078億円の黒字から708億円の赤字へ急悪化しました。一般送配電事業を担う東京電力パワーグリッド(PG)の経常損益も、前年同期の939億円の黒字から245億円の赤字へと沈み、主要事業会社2社が揃って経常赤字を計上する異例の事態となりました。
販売動向では、グループ全体の総販売電力量が前年同期比13.0%減の942億kWh、EP連結の小売販売電力量が同14.7%減の742億kWh(電灯243億kWh、電力499億kWh)へと落ち込みました。他社との競争激化や気温影響により販売数量が減少した一方、PGにおける需給調整に係る売上の増加などが増収要因となりました。しかし、収益面では燃料価格上昇や卸電力市場(JEPX)の高騰に伴う電力調達単価の大幅な上昇(EPの単価影響約マイナス1,420億円)、さらにPGにおける需給調整関連費用の増加(約781億円の減益要因)が重荷となり、売上増を上回るコスト増が営業赤字をもたらしました。
本業の営業損益が赤字へ転落したにもかかわらず最終損益が黒字化した背景には、前年同期に計上された特別損失の反動があります。前年中間期には、福島第一原発の廃炉関連費用などを反映した災害特別損失9,041億円を含む合計9,662億円もの巨額の特別損失が計上され、最終損益が7,123億円の赤字に落ち込んでいました。当中間期においては災害特別損失の計上がなく、特別損失は大幅に縮小したことが最終黒字転換の決定打となりました。
当中間期の特別損失としては、福島第一原子力発電所事故に伴う出荷制限や風評被害などの賠償見積もり見直しを反映し、原子力損害賠償費273億円を計上しました。これにより、同社の原子力損害賠償費の累計計上額は8兆4,024億円(2026年3月末比273億円増)に達しています。
2026年9月末の財政状態は、総資産が15兆5,674億円、純資産が3兆4,775億円となり、自己資本比率は利益剰余金の増加などにより前期末から0.4ポイント改善して22.2%となりました。一方、営業活動によるキャッシュフローは前年同期の1,646億円のプラスから863億円のマイナスへ転じており、損益上は最終黒字となったものの、営業活動に伴う資金収支は悪化しました。
2027年3月期の通期連結業績予想について、同社は中東情勢の長期化に伴う燃料価格や市場価格の見通しが極めて不透明であるとして「未定」としています。普通株式の年間配当予想も0円(無配)を継続しており、電力調達コストの高止まりと事業採算の立て直しが下期の重い課題となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













