北陸電力、中間経常益35%減も通期予想を上方修正 燃料費の期ずれと火力停止が重荷、下期は赤字となる計算

2026年10月29日 17:06

今回のニュースのポイント

北陸電力(9505)が2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算は、売上高が前年同期比5.3%増の4,246億円、経常利益が同35.3%減の425億円となりました。燃料費調整の期ずれ悪化や七尾大田火力発電所2号機の停止、水力発電量の減少が利益を圧迫しました。一方、通期の経常利益予想は従来の350億円から400億円へ引き上げました。中間期実績(425億円)からの逆算では、下期単独の経常損益は約25億円の赤字となる計算です。

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 北陸電力(9505)は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月、日本基準・連結)の決算を発表しました。売上高は前年同期比5.3%増の4,246億円(4,246億8,500万円)、営業利益は同37.2%減の417億円(417億7,300万円)、経常利益は同35.3%減の425億円(425億1,400万円)、親会社株主に帰属する中間純利益は同34.9%減の313億円(313億4,000万円)でした。売上高は市場価格変動に伴う販売増加などにより増収を確保したものの、各段階利益は3割を超える減益となりました。売上高営業利益率は前年同期の約16.5%から約9.8%へと約6.7ポイント低下しています。

 中間期の経常減益(前年同期比231億円減)の最大の要因となったのは、燃料費調整制度における「期ずれ影響」の悪化です。燃料価格の変動が電気料金へ反映されるまでのタイムラグにより生じる差損益は、前年同期の約60億円の差益から当期は約100億円の差損へと転じ、前年同期比で約160億円の減益要因として働きました。

 加えて、発電設備のトラブルや天候要因も重荷となりました。七尾大田火力発電所2号機の運転停止が約80億円の収支悪化要因となったほか、出水率が前年同期の99.1%から89.6%へ低下(9.5ポイント低下)したことに伴う水力発電量の減少(33.4億kWh、前年同期比9.9%減)が約40億円の減益要因となりました。なお、志賀原子力発電所1・2号機は当中間期も運転停止が続いています。

 販売面では、総販売電力量が前年同期比0.8%減の168.8億kWhとなりました。このうち小売販売電力量は、春先の高気温による暖房需要減少や夏季の冷房需要減少などを受け、電灯が同7.5%減の30.0億kWh、電力が同2.3%減の86.3億kWhとなり、合計で同3.7%減の116.3億kWhに落ち込みました。一方で、卸電力取引所向けなどを中心とする卸販売電力量は同6.3%増の52.5億kWhに拡大し、小売の減少を卸販売で部分的に補う構図となりました。

 セグメント別の経常損益を見ると、中核の発電・販売事業は売上高が前年同期比2.2%増の3,746億円となったものの、期ずれ差損や七尾大田火力の停止影響により、経常利益は同32.6%減の379億円となりました。送配電事業も電力需要の減少や需給調整費用の増加などが響き、売上高が同11.7%増の1,243億円、経常利益が同40.0%減の66億円と減益でした。

 こうした中間実績や販売動向を踏まえ、同社は2026年4月28日に公表した2027年3月期通期の連結業績予想を上方修正しました。総販売電力量の想定を従来の310億kWhから330億kWh(20億kWh増)へ引き上げたことなどを反映し、売上高を従来予想比900億円増の8,500億円(前期比8.1%増)、営業利益を20億円増の420億円(同52.0%減)、経常利益を50億円増の400億円(同52.9%減)、親会社株主帰属の当期純利益を30億円増の280億円(同48.6%減)へそれぞれ修正しました。

 ただし、通期予想の上方修正は前期実績との比較における増益を意味するものではなく、中間期実績との対比でも慎重な見通しが浮かび上がります。通期経常利益予想の400億円は、中間期実績の425億円を25億円下回っています。この数値から単純計算すると、2026年10月~2027年3月の下期単独の経常損益は約25億円の赤字(純損益も約33億円の赤字)となる計算です。通期で期ずれ差損が約160億円(期初予想から約80億円拡大)に膨らむ見通しであることなどが下期の重荷となります。

 2026年9月末時点の財務状況は、総資産が前期末比386億円増の1兆8,807億円、純資産が同367億円増の4,880億円となりました。自己資本比率は利益剰余金の積み増しなどにより前期末から1.4ポイント改善して25.8%となっています。年間配当予想については、1株あたり中間配当12円50銭を決定し、期末配当予想12円50銭を合わせた年間25円(前期実績と同額)の予想を据え置いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)