塩野義製薬、中間売上高64%増 米国ALS薬・HIV関連収益が拡大、通期営業益予想を100億円上方修正

2026年10月29日 18:57

今回のニュースのポイント

塩野義製薬が発表した2027年3月期中間決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比64.5%増の3,503億円、営業利益が同55.8%増の1,152億円となりました。米国で承継したALS治療薬「RADICAVA」や鳥居薬品の連結、HIVロイヤリティー収入の増加が収益を牽引。通期の営業利益予想を100億円上方修正して2,300億円とし、年間配当予想も86円へ増額しました。

本文
 塩野義製薬(4507)は2026年10月29日、2027年3月期中間連結決算(2026年4~9月、IFRS)を発表しました。売上収益は前年同期比64.5%増の3,503億7,700万円と中間期として過去最高を更新し、営業利益は同55.8%増の1,152億4,400万円を記録しました。あわせて通期の連結業績予想を上方修正し、年間配当予想の増額も発表しました。

 当中間期は税引前中間利益が前年同期比9.9%増の1,072億5,700万円、親会社所有者帰属中間利益が同44.0%増の1,195億4,600万円となりました。売上収益営業利益率は前年同期の約34.7%から約32.9%へ約1.8ポイント低下したものの、高水準を維持しています。なお、非経常項目を除いたコア営業利益は約1,327億円(同75.7%増)です。

 業績拡大の主因は、事業承継を含む海外事業の伸長と国内基盤の拡充です。海外子会社・輸出の売上収益は前年同期比210.2%増の950億円に急拡大しました。特に米国子会社Shionogi Inc.の売上収益が740億円へ急増し、このうち承継した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVA」が509億円を計上しました。抗菌薬セフィデロコルの欧米販売も順調に推移しました。

 国内医療用医薬品売上収益は前年同期比101.7%増の743億円となりました。不眠症治療薬「クービビック」が40億円へ伸長したほか、鳥居薬品の連結寄与(関連製品394億円)が貢献しました。一方、急性呼吸器感染症薬は同44.0%減の49億円でした。ロイヤリティー収入は同27.9%増の1,654億円となり、ViiV社のHIVフランチャイズが同18.0%増の1,485億円と下支えしました。

 費用面では、事業承継等に伴い研究開発費が前年同期比28.6%増の674億円、製品無形資産償却費が302億円へ増加しました。税引前利益の増益率が9.9%にとどまった背景には、ViiV社の持分法適用関連会社化に伴う金融収益の減少や、支払利息・為替差損の増加による金融費用の拡大があります。一方、米国子会社での繰延税金資産計上により税費用が減少し、最終利益は大幅増益となりました。

 通期業績予想は売上収益を従来比200億円増の7,200億円(前期比44.1%増)、営業利益を同100億円増の2,300億円(同35.1%増)、親会社所有者帰属利益を同25億円増の2,125億円(同1.6%増)へ上方修正しました。税引前利益予想は同5億円増の2,205億円(同9.1%減)です。

 年間配当予想は従来予想比10円増額の86円(前期実績比15円増配)に引き上げました。中間配当は40円(支払開始日2026年12月1日)で決定し、期末配当予想を46円としました。同日には中国後発薬事業の株式譲渡契約締結も発表し、新薬への集中を進めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)