今回のニュースのポイント
キーエンスが2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算(2026年3月21日~9月20日)は、売上高が前年同期比34.9%増の7,354億円、営業利益が同50.0%増の4,083億円となりました。製造業の設備投資需要に支えられ、営業利益率は約55.5%へ向上しました。同社は11月21日付で1株を5株に分割することを決議。中間配当を325円へ増額し、期末予想(分割後65円)と合わせた年間配当は株式分割前換算で650円と、従来予想から実質100円の増配を見込みます。
本文
ファクトリー・オートメーション(FA)センサー大手のキーエンス(6861)は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年3月21日~9月20日、日本基準・連結)の決算を発表しました。売上高は前年同期比34.9%増の7,354億円(7,353億9,900万円)、本業の儲けを示す営業利益は同50.0%増の4,083億円(4,082億6,200万円)と大幅な増収増益を達成しました。経常利益は同48.9%増の4,243億円(4,243億4,800万円)、親会社株主に帰属する中間純利益は同49.4%増の2,987億円(2,986億7,500万円)となりました。売上高営業利益率は前年同期の約49.9%から約55.5%へと約5.6ポイント改善し、極めて高い収益性を一段と高めました。
収益性向上の背景には、売上高が3割超伸びたのに対し、コストの増加が相対的に低く抑えられた構造があります。売上原価は前年同期比11.7%増の1,054億円にとどまり、売上総利益率は約82.7%から約85.7%へ上昇しました。また、販売費及び一般管理費は同24.1%増の2,217億円となったものの、売上高に対する比率は約32.8%から約30.1%へと低下しました。売上規模の急拡大が増加する経費を吸収した形となり、大幅な利益率改善をもたらしました。
事業環境について同社は、世界経済において製造業を中心に設備投資が継続し、各地域で堅調に推移したと説明しています。北中南米では幅広い業界で堅調さが続き、アジアでは半導体や電気精密業界を中心に成長が継続しました。欧州では持ち直しの動きが続き、国内でも設備投資が回復基調で推移しました。同社は、中長期的な成長を維持する観点から、企画開発面の充実と営業面の強化を図ったと説明しています。
また同社は、株式分割の実施も決議しました。投資単位当たりの金額を引き下げることにより株式の流動性の向上及び投資家層の拡大を図るため、2026年11月20日を基準日、11月21日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で分割します。これにより、発行済株式総数は現在の2億4,320万7,684株から9億7,283万736株増加し、12億1,603万8,420株となります。
あわせて株主還元の強化も公表しました。2026年9月20日を基準日とする中間配当は、直近予想の275円から50円増額し、1株当たり325円(前年同期は275円)に決定しました。株式分割後に支払われる期末配当予想は1株当たり65円とし、株式分割前換算では325円(従来予想は275円)となります。これにより、年間配当予想は株式分割前換算で従来予想の550円から650円へと実質100円の増配(増配率約18.2%)となる見通しです。
2026年9月20日時点の財政状態は、総資産が前期末比2,844億円増の3兆9,551億円、純資産が同2,334億円増の3兆7,049億円となりました。自己資本比率は93.7%(前期末比0.9ポイント低下)と、依然として強固な財務体質を維持しています。なお、今回の決算短信では通期の連結業績予想は開示されておらず、主要市場における製造業の設備投資動向が下期の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













