日本の物価上昇率2.1%、G7で最低 実質賃金2.0%増、国際比較の数字を読み解く

2026年10月30日 07:45

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主要7カ国(G7)の国旗。日本の2026年9月の消費者物価上昇率は前年同月比2.1%となり、G7で最も低い水準だった(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

高市首相は2026年10月29日の記者会見で、日本の消費者物価上昇率がG7の中で最も低く、実質賃金上昇率はG7最高水準で推移していると説明しました。総務省の9月CPI総合は前年同月比2.1%増、厚労省の8月毎勤統計による実質賃金(CPI総合で実質化)は同2.0%増を記録。政府資料や厚労省統計には各国の集計方法の違いが注記されており、物価高対策の効果とともに家計への影響が注目されます。

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 高市早苗首相は2026年10月29日の記者会見で、日本の物価上昇率が主要7カ国(G7)で最も低い水準にある一方、実質賃金上昇率はG7最高水準を実現していると説明しました。エネルギー価格抑制策などの効果を強調する発言ですが、この国際比較にはどのような背景や統計条件があるのか、公的データから読み解きます。

 国内の物価動向をみると、総務省統計局が公表した2026年9月の全国消費者物価指数(CPI、2025年基準)は、総合指数が前年同月比2.1%の上昇となりました。生鮮食品を除く総合は2.1%上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は2.4%上昇です。「G7最低」という説明は物価水準そのものの安さではなく、前年からの総合物価の上昇率が最も低いことを指します。

 各国の統計当局が公表した2026年9月の国内総合消費者物価指数(CPI)の前年同月比を比べると、日本は2.1%で、米国の3.7%、英国の3.5%、ドイツの3.3%などを下回っています。各国の指数は品目構成などに違いがあるものの、公表された国内CPIの上昇率では日本がG7で最も低い水準となっています。

 賃金面では、厚生労働省が公表した2026年8月の毎月勤労統計調査(確報、事業所規模5人以上)において、現金給与総額をCPI総合で実質化した実質賃金指数が前年同月比2.0%増となりました。持家の帰属家賃を除く総合で実質化した系列では同1.6%増です。首相は実質賃金上昇率が9カ月連続プラスと説明し、賃金改善の基調を強調しました。

 政府の説明資料では、日本の実質賃金上昇率を2026年8月の前年同月比2.0%増とし、G7の中で最も高い水準と紹介しています。資料の注記にも示されているように、各国の賃金統計は公表頻度や集計方法が必ずしも同じではなく、フランスについては四半期の数値が用いられています。また、厚労省確報の比較表「各国公表による主要国の実質賃金」でも、米国は時給や週給、英国やドイツは月給など、国により調査対象や実質化の物価指数が異なることが明記されています。実質賃金は賃金を物価変動で調整した指標ですが、対象となる賃金の範囲や集計期間によって数値は変わります。国際比較では、こうした条件も踏まえて数字を読むことが大切です。

 政府は、ガソリン暫定税率の廃止や燃料油補助、電気・ガス料金支援などによって、物価上昇率を0.8ポイント、教育無償化によって0.3ポイント押し下げる効果があると試算しています。また、政府資料では2026年3~9月の平均物価上昇率を、日本1.7%、米国3.6%、ユーロ圏3.1%、英国3.0%と示しています。

 総合指数の上昇率が低い一方、食料品など身近な品目の価格上昇は続いており、首相も食料品の上昇率が高止まりしていると説明しています。物価上昇の落ち着きと実質賃金の改善が、今後どの程度家計の負担軽減につながるかが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)