今回のニュースのポイント
SBI新生銀行が発表した2027年3月期中間決算は、経常利益が前年同期比47.6%増の921億8,200万円と大幅増益になった一方、親会社株主に帰属する中間純利益は同0.4%減の690億9,600万円とほぼ横ばいでした。貸出利回りの改善や証券投資による本業の収益伸長で税引前純利益は過去最高水準の929億円に達したものの、前年同期にあった税効果がなくなり法人税等が費用へ転じたことが最終利益に影響しました。
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SBI新生銀行は2026年11月2日、2027年3月期第2四半期(中間期・2026年4月1日~9月30日)の連結決算を発表しました。経常収益は前年同期比24.1%増の4,520億7,500万円、経常利益は同47.6%増の921億8,200万円と大幅な増益を達成しました。一方で、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期の693億6,600万円に対し、同0.4%減の690億9,600万円とほぼ横ばいの水準にとどまりました。本業の収益力が大きく伸長して税引前段階では約51%の大幅増益となったものの、税負担の増加が税引前段階の増益分をほぼ相殺し、最終利益は横ばいとなりました。なお、2026年9月末時点の総資産は前期末比で増加し、26兆3,836億4,500万円となりました。
本業の収益力を示す主要指標は軒並み好調に推移しました。業務粗利益は前年同期比21%増の1,998億円、実質業務純益は同34%増の1,064億円、税引前純利益(短信上の税金等調整前中間純利益)は同51%増の929億円(929億4,500万円)に達しました。これら3指標は、同行において2000年度以降の中間期決算として過去最高を記録しています。業務粗利益の増加が経費の伸びを大きく上回ったことで、経費率は前年同期の52.2%から46.7%へと大幅に改善しました。
収益拡大を牽引したのは資金利益の急伸です。資金利益は前年同期比59%増の1,022億円に達しました。会社側の説明によると、貸出金利回りの改善に加え、証券投資の収益性向上が大きく寄与しました。資金運用収益の増加に加え、資金調達費用をコントロールしたことも資金利益の拡大につながったと説明しています。手数料などの非資金利益は同4%減の975億円と微減でしたが、資金利益の拡大が全体を大きく押し上げました。与信関連費用も171億円と前年同期と同水準の低位安定を維持しています。
税引前純利益が大幅に増加した一方で最終利益が横ばいとなった背景には、法人税等の大きな変化があります。前年同期(2025年4~9月)は税金等調整前中間純利益616億9,300万円に対し、法人税等合計はマイナス76億6,900万円でした。将来所得の見積期間延長に伴い繰延税金資産が増加し、税金費用がマイナス(利益押し上げ)として計上されたためです。これに対し、当中間期(2026年4~9月)は税引前純利益が929億4,500万円に拡大した一方、法人税等合計は236億9,200万円の費用計上となりました。継続的な利益計上による税務上の繰越欠損金の解消が進み、負担率が上昇したためです。前年同期の税効果がなくなり当中間期に法人税等が費用となったことで、税引前段階での増益分がほぼ相殺されました。
事業別では、法人業務が残高増加や利回り改善により業務粗利益で前年同期比5%増の635億円、実質業務純益で同7%増の384億円となりました。個人業務も預金利鞘の改善や住宅ローン手数料、アプラスのカード関連収益が寄与し、業務粗利益が同15%増の1,067億円、実質業務純益が同21%増の447億円と堅調でした。証券投資事業も機動的なアセットアロケーションにより、業務粗利益264億円(同363%増)、実質業務純益242億円(同656%増)と大きく伸びました。ただし証券投資の高い増益率は相場変動の影響も受けるため、利益水準の持続性には留意が必要です。
株主還元について同行は、当中間期の配当を1株当たり10円に決定しました。前期(2026年3月期)の年間配当実績である42円に対し、会社側は年間42円以上の水準を目指す方針を示しています。ただし、決算短信上の年間配当予想欄は未定とされており、42円以上は会社が目指す目標水準です。通期の連結業績予想については、税金等調整前当期純利益で前期比8.1%増の1,320億円を見込んでおり修正はありません。中間期の税引前純利益929億円は通期予想の約70.4%に相当しますが、これだけで通期業績の上振れを判断することはできません。本業の収益力は過去最高水準へ改善したものの、税効果の一巡によって最終利益は横ばいにとどまる損益構造となりました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













