今回のニュースのポイント
SBIホールディングスが発表した2027年3月期中間決算(IFRS)は、連結税引前利益が前年同期比52.9%増の3,243億600万円となりました。金融サービス事業の税引前利益が同69.7%増、PE投資事業が同38.5%増と全体を牽引した一方、暗号資産事業は15億9,500万円の税引前損失と赤字が拡大しました。中間配当は30円に決定し、年間配当予想は110円を提示しています。
本文
SBIホールディングスは2026年11月2日、2027年3月期第2四半期(中間期・2026年4月1日~9月30日)の連結決算(国際財務報告基準=IFRS)を発表しました。連結収益は前年同期比17.2%増の1兆575億1,500万円、連結税引前利益は同52.9%増の3,243億600万円と大幅な増益を達成しました。中間利益は同52.6%増の2,491億800万円、親会社の所有者に帰属する中間利益(純利益に相当)は同39.1%増の2,305億7,200万円となっています。2026年9月末時点の総資産は前期末比1兆6,720億5,600万円増の39兆9,628億5,300万円となり、親会社所有者帰属持分比率は前期末の4.7%から4.9%へ小幅に上昇しています。
大幅増益の主因となったのは、中核である金融サービス事業の大幅増益です。同事業の収益は前年同期比17.3%増の8,297億4,600万円、税引前利益は同69.7%増の2,002億3,300万円と約7割の増益を記録しました。国内外の証券、銀行、保険といった主要金融事業を統括する同セグメントがグループ全体の利益成長を強く牽引する形となりました。
金融サービスと並ぶ収益の柱であるPE投資事業も堅調に推移しました。IT、AI、フィンテック、エネルギー、バイオなどの国内外ベンチャー投資を手掛けるPE投資事業は、収益が前年同期比28.5%増の1,812億8,300万円、税引前利益が同38.5%増の1,530億8,800万円に達しました。なお、同社が公表した参考資料には、2026年4月1日から11月2日までの投資先企業の公開・M&A状況として、国内3社、海外9社の計12社が掲載されています。ただし、個別案件の利益貢献額は示されておらず、これらが中間期の増益にどの程度寄与したかは確認できません。
一方、対照的な結果となったのが暗号資産事業です。暗号資産交換業などを展開する同セグメントの収益は前年同期比30.1%減の230億8,300万円と減収になり、損益面では15億9,500万円の税引前損失を計上しました。前年同期の税引前損失1億4,700万円から損失幅が拡大しており、全体の好調のなかで減収と赤字拡大が確認されました。このほか、資産運用事業は収益が同40.7%増の262億500万円、税引前利益が同87.9%増の64億9,700万円と高い増益率を示し、バイオやWeb3などを手がける次世代事業も収益が同82.8%増の261億9,000万円、税引前利益が同12.2%増の24億5,700万円となりました。なお、これら5事業のセグメント利益の合計に消去又は全社の調整額(マイナス363億7,400万円)を加味したものが連結税引前利益となります。
株主還元に関して同社は、当期の中間配当を1株当たり30円に決定し、期末配当予想を80円、年間配当予想を合計110円とすることを公表しました。配当の比較にあたっては、2025年12月1日付で実施された普通株式1株につき2株の株式分割を考慮する必要があります。前期(2026年3月期)の中間配当実績は分割前基準で40円であったため、株式分割後の基準に換算すると実質20円となります。したがって、当中間期の30円配当は前年同期の分割後換算比で10円の実質増配(50%増)に当たります。また、前期の期末配当75円は分割後の基準であるため、前期の年間配当は分割後換算で計95円(中間20円+期末75円)となります。今回示された年間110円予想は、前期の年間実績に対して実質15円の増配予想となります。時系列としては、2026年7月31日時点の予想では中間配当のみ30円とし期末および年間予想は未定としていましたが、今回の決算発表に合わせて年間の予想値が新たに提示された形です。ただし、期末配当80円は現時点での予想であり、確定した金額ではありません。
なお、2027年3月期の通期連結業績予想について同社は開示を行っていません。主力の証券関連事業をはじめとする金融事業全般が株式市場等の市況変動から受ける影響が極めて大きい事業構造にあるためです。会社側は合理的な予想策定が可能となった段階で速やかに開示する方針を示しています。中間期は主力の金融サービスと投資事業が力強く利益を押し上げたものの、暗号資産の赤字継続や外部市場環境の不確実性を抱えるなかでの事業運営が続いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













