今回のニュースのポイント
住友ベークライトが11月4日発表した2027年3月期中間決算は、売上収益が前年同期比22.7%増の1,920億4,100万円、親会社帰属中間利益が同47.2%増の195億6,100万円でした。AIデータセンター向け等で半導体関連材料の事業利益が64.1%増と好調でした。10月末に京セラの一部ケミカル事業の譲受を完了し11月からSBCSを連結化します。通期純利益予想(350億円)や年間配当予想(140円)は10月30日に修正済みです。
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住友ベークライトは2026年11月4日、2027年3月期の中間連結決算(国際財務報告基準=IFRS)を発表しました。2026年4~9月期の売上収益は前年同期比22.7%増の1,920億4,100万円、営業利益は同57.9%増の259億8,500万円となりました。売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を控除した独自の収益指標である事業利益は同64.1%増の280億8,400万円に達し、親会社の所有者に帰属する中間利益(純利益)は同47.2%増の195億6,100万円と大幅な増益を達成しました。会社側は、半導体需要の拡大に伴う販売数量の増加に加え、販売価格の適正化や円安の影響が増収に寄与したと説明しています。AIデータセンター関連需要は、特に半導体関連材料の販売を押し上げました。
収益拡大を牽引したのが半導体関連材料セグメントです。同セグメントの売上収益は前年同期比37.7%増の705億9,200万円となり、全社売上収益の約36.8%を占めました。事業利益は同64.1%増の167億3,200万円に達し、事業利益率は約23.7%の高水準を記録しています。AIデータセンター関連需要を背景に、パワーデバイス用途やメモリー用途向けの出荷が大きく伸長しました。製品別では、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料がパワーデバイスや車載向けに加え、ハイエンドスマートフォンや通信用途でも好調でした。メモリー需要に牽引された感光性材料や、パワー半導体向けのボンディングペースト、部品内蔵基板材料「LαZ」シリーズも販売を伸ばしました。なお、同セグメントの売上すべてがAI向けというわけではありません。
半導体材料以外の事業部門も着実な採算改善を示しました。高機能プラスチックセグメントは、売上収益が前年同期比23.8%増の633億2,700万円、事業利益は同127.7%増の58億6,300万円と大幅な増益を記録しました。原料価格上昇に対する価格適正化や円安進行に加え、アジア・中国での電機部品向け成形材料の出荷増や、航空機部品の販売拡大が寄与しました。また、クオリティオブライフ関連製品セグメントも、売上収益が同7.4%増の577億5,100万円、事業利益が同23.4%増の82億8,300万円となりました。国内透析用血液回路事業の終了により医療機器全体は減収となったものの、医薬品包装や食品包装、産業用フィルムの販売が大きく伸びて全体の利益を底上げしました。
今後の成長基盤を強化する施策として、京セラのケミカル事業の一部譲受手続きが2026年10月30日に完了しました。住友ベークライトは新設された「住友ベークライトケミカルソリューション株式会社(SBCS)」の全株式を取得し、11月から連結対象とします。同社はSBCSの寄与として、2027年3月期通期予想に売上収益120億円、事業利益10億円を織り込んでいます。この事業譲受は京セラのケミカル事業の一部を対象としたものであり、同社が培ってきた高熱伝導技術と住友ベークライトの封止材料技術を融合させ、発熱対策が重要視される最先端パッケージ、GPU、パワーデバイス、メモリーといった次世代AIサーバー向け材料の開発・供給体制を加速させる方針です。
通期の連結業績予想および株主還元については、中間決算発表に先立つ2026年10月30日に上方修正が行われています。修正後の通期予想は、売上収益が前期比25.1%増の4,000億円、事業利益が同59.5%増の550億円、営業利益が同40.9%増の500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同24.9%増の350億円です。11月4日の決算短信における通期予想の修正はありません。年間配当予想も10月30日時点で従来の1株当たり120円から140円(前期比30円増配)へと引き上げられており、中間配当金は70円で決定(期末配当予想も70円)されています。会社側は、通期事業利益550億円の計画について、「2030年ありたい姿」に掲げた定量目標を4年前倒しで達成する見通しを示しています。
生成AIの普及と計算インフラの拡充を背景に、先端半導体パッケージにおける材料技術の重要性は一段と高まっています。住友ベークライトは、中国での新ライン増設や、蘇州・シンガポールでの供給体制強化を計画するほか、シンガポール・台湾の拠点構想も示しています。京セラから譲り受けた事業との技術融合による高熱伝導材料の拡販や、AI半導体向け液状封止材の顧客評価にも取り組む方針です。もっとも、通期事業利益550億円の達成や将来の設備投資計画は現時点における会社側の見通しであり、確定した業績ではありません。今後の世界景気や半導体市場の循環動向、為替変動、原材料価格の推移、さらには新設会社の統合進捗などを慎重に見極める必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













