今回のニュースのポイント
川崎汽船が2026年11月4日に発表した2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比20.3%増の6,020億20百万円、営業利益が同19.3%増の512億25百万円、経常利益が同98.4%増の1,183億98百万円、中間純利益が同81.4%増の1,245億17百万円と大幅増益でした。ドライバルクやONEを通じたコンテナ船事業が好調だった一方、自動車船事業は減益でした。10月23日修正の通期予想(純利益1,900億円)は据え置き、新中期経営計画を公表しました。
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川崎汽船株式会社は2026年11月4日、2027年3月期の中間連結決算(日本基準)を発表しました。2026年4~9月期の連結業績は、売上高が前年同期比20.3%増の6,020億20百万円(前年同期は5,005億65百万円)、営業利益が同19.3%増の512億25百万円(同429億55百万円)となりました。さらに、経常利益は同98.4%増の1,183億98百万円(同596億69百万円)とほぼ倍増し、親会社株主に帰属する中間純利益は同81.4%増の1,245億17百万円(同686億32百万円)に達しました。売上高から各段階利益まで揃って大幅な増収増益を記録しています。ドライバルク事業の市況改善に加え、コンテナ船事業を担う持分法適用関連会社の収益拡大が全体の業績を押し上げました。
経常利益と中間純利益の伸び率が営業利益を大幅に上回った背景には、営業外収益と特別利益の寄与があります。営業外収益において持分法による投資利益約702億円が計上され、そのうち同社が31%出資するコンテナ船事業会社Ocean Network Express(ONE)に係る利益が約657億円を占めました。ONEの利益は連結売上高や営業利益には合算されず、持分法投資利益として経常損益に反映されます。また、最終損益においては保有船舶の売却などによる特別利益148億79百万円が計上され、純利益を押し上げました。なお、中間期の期中平均為替レートは1米ドル=160.47円(前年同期は146.18円)と円安方向に推移した一方、平均燃料油価格は1トン当たり788米ドル(同547米ドル)へ44.1%上昇しました。
セグメント別の経常損益を見ますと、主力事業間で明暗が分かれました。ドライバルク事業は、鉄鉱石等の活発な荷動きに伴う大型船市況の上昇や、石炭・穀物輸送の底堅さに支えられ、売上高約1,895億円(前年同期比31.3%増)、セグメント利益約160億円(前年同期は約13億円)と大幅増益でした。一方、エネルギー資源事業は売上高約602億円(同22.5%増)ながら、前年同期の一過性利益剥落などによりセグメント利益は約48億円(同11.3%減)と減益でした。製品物流事業内の自動車船事業も、中東情勢を受けた航路変更や船腹稼働率の低下、運航費増加が響き、売上高約2,200億円に対しセグメント利益は約153億円(前年同期は約301億円)と約147億円の減益となりました。
製品物流セグメントの大幅増益を牽引したのはコンテナ船事業です。同事業のセグメント利益は約744億円に達し、前年同期の約221億円から約523億円増加しました。ONEからの持分法投資利益(約657億円)の急増が主因です。ONEの2026年7~9月期実績は、売上高6,274百万米ドル、税引後利益1,318百万米ドル、総積高3,396千TEUでした。北米航路での在庫補充に伴う旺盛な荷動きに加え、紅海情勢や港湾混雑、パナマ運河の水不足といった供給制約が重なり、船腹需給が引き締まって短期運賃が急騰しました。欧州航路では運賃軟化も見られたものの、好調な北米向けやアジア域内航路が支え、ONEの収益改善が川崎汽船の決算に大きく寄与しました。
2027年3月期の通期連結業績予想については、2026年10月23日に上方修正した予想数値を11月4日時点で据え置きました。通期予想は売上高1兆1,700億円(前期比14.9%増)、営業利益910億円(同8.1%増)、経常利益1,900億円(同74.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,900億円(同42.9%増)を見込んでいます。8月公表予想からの増額(経常利益・純利益で各550億円増)は10月23日時点で織り込み済みであり、中間決算発表時の新たな上方修正はありません。株主還元では、年間配当予想を1株当たり120円(中間60円決定、期末60円予想)で維持しました。なお、自己株式取得(1,225億円、44,429千株)は9月に終了し、10月2日に全株を消却しています。
同社は決算発表と同時に、2027~2031年度を対象とする新中期経営計画を公表しました。「統合運用力」を中核に据え、海上輸送のみならず物流やエネルギーサプライチェーンへと事業領域を拡げる方針を打ち出しています。投資計画では5年間でキャッシュベース累計約1兆1,000億円(純投資額約9,000億円)を投じる一方、配当継続約3,500億円と機動的還元3,500億~4,500億円を合わせた総額7,000億~8,000億円規模の株主還元を計画し、ROE15%以上の実現を目指します。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













