伊藤忠商事、中間純利益16%増の5,805億円 基礎収益も過去最高、非資源が成長けん引

2026年11月04日 13:15

今回のニュースのポイント

伊藤忠商事が2026年11月4日に発表した2027年3月期中間決算は、当社株主に帰属する中間純利益が前年同期比16.0%増の5,805億円となり、上半期として過去最高益を更新しました。一過性損益を除く基礎収益も同33%増の5,045億円と過去最高を記録し、非資源分野(4,270億円)を軸に全セグメントで基礎収益の増益を達成しました。通期純利益予想9,500億円や年間配当予想44円(中間22円、期末22円)は期初予想を据え置いています。

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 伊藤忠商事は2026年11月4日、2027年3月期の中間連結決算(国際財務報告基準=IFRS)を発表しました。2026年4~9月期の当社株主に帰属する中間純利益は前年同期比16.0%増の5,804億7,200万円(説明資料表示で5,805億円)となり、上半期として過去最高益を更新しました。一過性損益を除く会社独自の収益力指標である基礎収益も同33%増の5,045億円に達し、同じく上半期の過去最高を塗り替えています。市況変動や地政学リスクが継続するなか、非資源分野を中心とする事業基盤が収益を力強く牽引しました。一方、2027年3月期の通期純利益予想(当社株主に帰属する当期純利益)は前期比5.5%増の9,500億円に据え置いています。

 2026年4~9月期の連結業績は増収増益となりました。収益は前年同期比9.4%増の7兆9,297億4,700万円、自主表示している営業利益は同16.7%増の4,131億8,800万円、税引前中間利益は同6.3%増の7,034億6,900万円でした。非支配持分を含む中間純利益は同15.4%増の5,986億9,900万円となり、当社株主に帰属する中間純利益は前年同期の5,002億8,000万円から801億9,200万円(約802億円)増加しました。基本的1株当たり中間純利益は83円06銭(前年同期は70円84銭)に拡大しています。なお、基礎収益(5,045億円)は、一過性損益を除くなどして会社が算出する独自の管理指標であり、IFRSに基づく純利益とは異なります。

 収益構造では、基礎収益に占める非資源分野の比率が85%となり、強みの非資源ビジネスの成長が際立ちました。非資源の基礎収益は前年同期比30%増の4,270億円、資源分野は同52%増の775億円となりました。さらに、全事業セグメントで基礎収益が前年同期を上回っています。セグメント別では、北米電力事業や日立建機の取込比率上昇が寄与した機械が同293億円増の882億円と最大の増益幅を記録しました。豪州原料炭事業の改善や石炭価格上昇、伊藤忠丸紅鉄鋼の市況回復が寄与した金属も同291億円増の927億円と大幅に伸びています。このほか、石油販売やタキロンシーアイが堅調なエネルギー・化学品が509億円、Doleやファミリーマートが寄与した食料が662億円、CTC好調の情報・金融が484億円となるなど各分野が増益を達成しました。

 基礎収益の増益額1,255億円の内訳について会社側は、オーガニック成長が535億円、新規投資が260億円、前期不調事業の改善が130億円を占めたと説明しています。外部環境要因としては、平均為替レートが159円49銭と前年同期の146円02銭から円安に推移し190億円の為替効果が生じました。資源価格影響は40億円でした。また、中東情勢の影響は、基礎化学品市況の上昇などにより上期実績でプラス100億円となった一方、通期計画ではコスト増などを見込みマイナス75億円を想定しています。上期にはCIECO Azer売却等に伴う390億円や東京センチュリー関連の255億円など、計760億円の一過性損益が含まれますが、前年同期(1,215億円)から455億円減少しており、本業の基礎収益の伸びが増益を主導しました。

 通期業績予想については、当社株主に帰属する当期純利益9,500億円、基礎収益計画9,000億円を据え置いています。上期実績の通期予想に対する進捗率は純利益で61%、基礎収益で56%と高い進捗ですが、下期の事業環境変化に備えて400億円のリスクバッファーを設定しています。中長期の成長投資も進展しています。同社は2026年度の成長投資として年間1兆5,000億円を見込んでおり、上期時点で約1兆2,000億円を積み上げ、進捗率は約80%に達しました。日立建機への追加投資(約1,340億円)や伊藤忠食品の完全子会社化(約780億円)に加え、航空機リースACGへの出資(約3,100億円)、電通総研に対する出資(最大2,152億円)など、優良アセットへの厳選投資を推進しています。

 株主還元策では、2027年3月期の年間配当予想を1株当たり44円(中間22円、期末予想22円)とし、期初予想を据え置いています。中間配当金22円は同日決定され、支払開始予定日は2026年12月2日となります。同社は2026年1月1日付で1株を5株に分割しており、分割後換算した前期年間配当42円(分割前換算210円)に対して実質2円の増配水準です。また、8月に決議した上限3,000億円(1億9,000万株)の自己株式取得枠は、公開買付け分を含め10月末までに累計約2,211億円(進捗率約73.7%)を取得済みです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)