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帝人は2026年11月5日、2027年3月期通期の事業利益予想を従来の300億円から400億円へ100億円上方修正しました。2026年4~9月期は売上収益が前年同期比2.5%減の4,396億円となったものの、事業利益は同136.4%増の308億円に達しました。電子材料や電池部材の堅調な販売に加え、構造改革やアラミド操業度改善が増益を支えました。親会社帰属中間利益525億円には事業譲渡益が含まれます。
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帝人株式会社は2026年11月5日、国際会計基準(IFRS)に基づく2027年3月期第2四半期(中間期・4~9月期)連結決算を発表し、併せて通期業績予想を上方修正しました。本業の収益力を示す通期事業利益予想は従来の300億円から400億円へと100億円引き上げられました。同日発表された2026年4~9月期の実績におきましては、売上収益が前年同期比2.5%減の4,395億6,200万円(概数4,396億円)と減収になったものの、事業利益は同136.4%増の308億2,600万円(同308億円)と大幅増益を達成しました。事業譲渡に伴う連結除外などで売上規模は縮小したものの、電子材料関連の販売拡大や構造改革の進展により、本業の収益性は著しく改善しています。
セグメント別で増益を大きくけん引したのがエレクトロニクス&エナジーです。同セグメントの2026年4~9月期の売上収益は前年同期比18.9%増の899億円、事業利益は同70.7%増の168億円(前年同期は99億円)となりました。樹脂や電池部材に加え、半導体製造工程で用いられるフォトレジストフィルター向けメンブレンなど、各用途で需要を捉えて販売量が堅調に推移しました。利益面では販売増に伴う数量差(プラス15億円)に加え、価格改定や在庫受払差によるスプレッド改善(同30億円)、為替影響(同25億円)が増益に寄与しました。ただし、会社側は原燃料価格の上昇影響の一部が第3四半期以降に繰り延べられると説明しており、下期の採算推移には注視が必要です。
高機能素材を担うスペシャリティマテリアルズは、大幅な減収となりながらも事業利益が黒字転換しました。売上収益は複合成形材料の北米事業譲渡等の影響で前年同期比26.4%減の921億円となりましたが、事業利益は前年同期の62億円の赤字から58億円の黒字へと120億円改善しました。この黒字化は、コスト構造改革の進展に加え、前年度の大型定期修繕の影響が一巡したアラミド繊維の操業度改善や、前期の減損に伴う減価償却費の減少が寄与したものです。さらに、炭素繊維分野で航空機用途向けの販売構成が良化したことや為替影響もプラスに働きました。減収下でも、コスト構造改革や操業度改善、減価償却費の減少などが事業利益の黒字転換に寄与しました。
最終損益におきましては、親会社の所有者に帰属する中間利益が525億4,100万円(前年同期は548億3,500万円の損失)となり、大幅な黒字へ転換しました。営業利益も707億9,400万円を計上しています。ただし、この中間純利益の急拡大には、2026年4月に譲渡が完了したアラミドペーパー事業に伴う関係会社株式売却益455億円をはじめ、固定資産売却益85億円などの非経常項目(合計403億円のプラス)が含まれています。本業の事業利益改善と一時的な事業譲渡益は区別して評価する必要があります。なお、事業売却に伴う資金回収などにより、有利子負債は前期末比454億円減の2,910億円に圧縮され、D/Eレシオは0.69倍(資本性調整後0.58倍)へと改善しました。
こうした上期の進捗を踏まえ、帝人は2027年3月期通期の連結業績予想を引き上げました。売上収益予想を従来の9,000億円から9,200億円(前期比5.4%増)へ、事業利益予想を300億円から400億円(同55.2%増)へ、親会社帰属当期利益予想を450億円から500億円へそれぞれ増額しました。通期営業利益予想は750億円を見込んでいます。事業利益の通期予想修正額100億円のうち、70億円を占めるのがエレクトロニクス&エナジー(150億円から220億円へ引き上げ)であり、通期の上方修正の中心を担っています。他セグメントも各10億円増額されました。なお、年間配当予想は1株当たり50円(中間25円、期末25円)が据え置かれています。
今回の決算発表は、帝人が進めてきた事業ポートフォリオ変革の成果を示しています。同社は2026年10月1日付で、繊維子会社の帝人フロンティアと旭化成アドバンスの経営統合を完了させ、新会社「TAフロンティア」を始動させました。これは上期終了後の事象であり、上期実績には統合費用が先行発生した一方、通期見通しには下期からの統合効果が織り込まれています。事業譲渡や経営統合を進める一方、電子材料・電池部材の販売や航空機向け炭素繊維の事業環境、構造改革の効果が今後の収益を左右する要素となります。通期事業利益400億円の達成に向けては、原燃料価格上昇の影響が一部繰り延べられる第3四半期以降の採算動向が注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













