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財務省は2026年11月5日、年内に予定される防衛3文書の改定に向けた資料を公表し、防衛力強化と経済・金融・財政基盤の維持を両立させる重要性を提起しました。無人機投入など長期戦への備えが求められる一方、普通国債残高1,000兆円超のもとで金利が上昇し、2027年度概算要求の国債利払費は16.6兆円に急増。有事の物価高や財政需要拡大に耐えうる経済・財政の持続力確保が重要な論点になると指摘しています。
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財務省は2026年11月5日、防衛関係資料を公表し、年内改定が予定される安全保障関連3文書に向け、防衛力の強化と経済・金融・財政基盤の維持を両立させる必要性を提起しました。資料は、周辺国の軍事力増強や戦闘様相の変容により防衛力整備の重要性が高まる一方、有事には防衛装備品の調達にとどまらず、財政需要の急拡大や物価・金利の上昇、外貨流出などが生じるリスクを指摘しています。政府は2022年12月に策定した国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書を2026年中に前倒し改定する方針を示していますが、財務省は防衛力を長期に支えるには平時からの健全な経済・財政基盤の維持が不可欠であると強調しました。
資料が前提とする安全保障環境では、現行3文書を策定した2022年からの変化が詳細に整理されています。中国による我が国周辺や太平洋側での活動活発化、ロシアと中国・北朝鮮による軍事的連携の深化、長期化するロシアによるウクライナ侵略などが挙げられました。とりわけ戦闘様相の変化としては、イラン情勢におけるミサイルと大量の無人機を組み合わせた複合攻撃や、ウクライナ戦争における安価な無人機の大量投入および有事増産の重要性が例示されています。現代の安全保障においては、平時に装備品を保有するだけでなく、消耗する物資や弾薬を継続的に補充し、長期戦に対応できる供給力を維持する「持続的な対応能力」の確保が死活的な課題として浮上していると説明しています。
持続的な防衛体制を支える国内環境において、財務省が課題として挙げているのが金利上昇と国債利払費の拡大です。資料では、日本の長期金利(10年国債利回り)が足元で3%を超え、約30年ぶりの高水準にあると指摘されています。普通国債残高が1,000兆円を超えるなか、金利上昇に伴い利払費の増加が段階的に進行しています。一般会計の国債利払費は、2026年度当初予算の13.0兆円(積算金利3.0%)に対し、2027年度概算要求では、積算上の要求金利3.8%を前提に、前年度当初予算を3.6兆円上回る過去最大の16.6兆円が要求されました。巨額の公的債務を抱える中での利払い負担急増は、防衛費をはじめとする中長期的な歳出を検討する上で重要な財政的制約となります。
有事の持続力を巡り、資料は軍事装備や人員の確保にとどまらず、国家全体の経済的な継戦能力が戦況を左右するという認識を示しています。財務省資料が引用した民間研究会の分析によりますと、ロシアが経済制裁下でもエネルギーや食料の輸出で経常黒字を維持し長期戦を継続しているのに対し、資源や食料を輸入に依存する日本は有事の脆弱性が高いと指摘されています。海上輸送路(シーレーン)の混乱や為替の急変、輸入品価格の急騰による供給制約が生じた場合、国内産業や国民生活に深刻な影響が及ぶおそれがあるとしています。有事には戦略物資の緊急調達など巨額の財政需要が発生するため、国際市場の信認を維持し必要な資金を調達できる財政余力を平時から保持することが不可欠だと論じています。
こうした複合的課題に対応するため、財務省は防衛力に加え経済力や技術力、産業基盤を統合した「総合的な抑止力・対処力」の強化を訴えています。財務省資料によると、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資の支援対象は、2026年2月時点で計16物資となっています。半導体、蓄電池、重要鉱物、天然ガスなどに加え、2025年12月には人工呼吸器、無人航空機、人工衛星、ロケット部品などが追加されました。これら物資の安定供給確保に向けた予算総額は2兆5,518億円に達しています。防衛装備品に不可欠な部素材の多くは民生技術に依存しており、民生品(COTS)の活用や、平時は民需、有事には防衛需要へ切り替え可能な防民共用の生産基盤を確立することが、防衛力の持続性を高めると位置づけています。
年内の安全保障関連3文書改定に向けては、防衛装備の増強や新たな戦い方への対応と並び、それらを継続的に支える財源の裏付けと経済基盤の確保が主要な論点となります。無人機など新たな装備への対応や弾薬の確保、重要物資の供給体制の強化には継続的な投資が必要ですが、国債利払費が増加するなか、その財源をどのように確保するかも重要な課題となっています。財務省は、防衛力を含む総合的な国力の強化に取り組む際、有事の財政需要拡大に備え、平時の経済・金融・財政基盤を弱体化させないことが必要だと指摘しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













