三井物産、通期純利益予想を1兆500億円に上方修正 中間利益は過去最高の5,749億円

2026年11月04日 12:10

今回のニュースのポイント

三井物産は2026年11月4日、2027年3月期の通期連結純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)予想を従来の9,200億円から1兆500億円へ1,300億円上方修正しました。2026年4~9月期の中間純利益は前年同期比35.7%増の5,749億円となり、上半期として過去最高益を記録しました。モビリティ・デジタル・インフラや化学品、金属資源などの増益が牽引し、通期予想に対する中東情勢の純影響もプラス400億円を見込みます。年間配当予想は140円を据え置きました。

本文
 大手総合商社の三井物産は2026年11月4日、2027年3月期(2026年度)の通期連結純利益予想(親会社の所有者に帰属する当期利益)を従来の9,200億円から1兆500億円へと1,300億円(約14.1%)上方修正しました。前期実績(8,340億円)に対しても25.9%の増益見通しです。同日公表した2026年4~9月期の中間連結決算において、親会社の所有者に帰属する中間利益が前年同期比35.7%増の5,748億6,200万円(説明会資料の概数で5,749億円)に達し、上半期として過去最高益を更新したことを受けた措置です。従来計画(9,200億円)に対する進捗率は62%、修正後予想(1兆500億円)に対しても約54.8%と順調な進捗を示しました。

 2026年4~9月期の中間連結決算(国際財務報告基準=IFRS)は増収増益となりました。IFRSに基づく収益は前年同期比23.1%増の8兆3,220億2,700万円、税引前利益は同29.8%増の7,095億3,900万円、中間利益は同37.1%増の5,989億1,900万円でした。親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期の4,237億3,300万円から1,511億2,900万円(約1,512億円)増加し、基本的1株当たり中間利益は202円88銭(前年同期は147円41銭)に伸長しました。同社は、高いボラティリティのなかで市況の好機を捉えたトレーディングの伸長や事業基盤の強化、着実な資産リサイクルが収益拡大につながったと説明しています。

 中間期のセグメント別利益動向では幅広い部門が増益となりました。改組後の新区分において、モビリティ・デジタル・インフラが前年同期比510億円増の1,537億円と最大の利益を計上しました。ブラジル旅客鉄道事業子会社の社外化に伴う損益に加え、米州の自動車販売・リースやタンカー事業の市況上昇が寄与しました。化学品は同267億円増の702億円となり、トレーディング好調や米国メタノール事業、減損一部戻入れなどが押し上げました。金属資源も銅価格上昇や鉄鉱石の効率化により同254億円増の1,397億円でした。イノベーション&コーポレートディベロップメントでは、米国不動産所有・運営事業CIM Groupに関連する資産リサイクル益などが寄与し、同356億円増の609億円となりました。なお、一過性の資産再編益は日常的な営業収益と区別して把握する必要があります。

 通期業績予想の上方修正では、全7セグメント中5セグメントで予想を引き上げました。化学品が350億円増(1,100億円へ)、エネルギーが300億円増(2,300億円へ)、モビリティ・デジタル・インフラが300億円増(2,700億円へ)、イノベーション&コーポレートディベロップメントが250億円増(950億円へ)、金属資源が100億円増(2,600億円へ)となっています。また、中東情勢の影響について同社は、通期純利益への影響を増減合算でプラス400億円と試算しています。石油・LNG生産やトレーディング、米国メタノール事業のプラスがある一方、物流費や鉱山ディーゼル費の増加、中東LNG配当減などのマイナスを織り込んだ純影響の見通しです。

 独自の管理指標である基礎営業キャッシュ・フローは、中間期実績が前年同期比631億円増の5,116億円となり、通期予想も従来の1兆500億円から1兆1,200億円(700億円増額)へ引き上げられました。なお、IFRS上の営業活動によるキャッシュ・フローは運転資本増加により前年同期の4,287億円から2,234億円へ減少しており、基礎営業キャッシュ・フローとは異なります。成長投資も進展しており、同社は米自動車販売大手Penske Automotive Groupの非公開化に伴う持分引き上げ(約20.3%から約36%へ、約2,480億円)や、機能性食品素材事業Nutrinovaへの追加投資(出資比率を70%から89%へ引き上げる計画、投資額約210億円)などを決定し、事業基盤の拡充を図っています。

 株主還元については、2027年3月期の年間配当予想を1株当たり140円(中間70円、期末予想70円)とし、期初予想を据え置きました。中間配当金70円は決定済み(支払開始予定日:2026年12月2日)で、前期実績(115円)から25円の増配水準です。また、8月に決議した上限2,000億円(6,000万株)の自己株式取得枠は、10月末までに累計約850億円を取得済みで、全株消却される予定です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)