激戦となっている缶コーヒー市場だが、消費者の購買意欲を高めるべく、ここ数年は各社、あらゆるキャンペーン展開を行っているようだ。なかでも、購入するとコラボレーションによるフィギュアが付いてくるというような、プラスワン的なキャンペーンが支持を得ているようだ。
缶コーヒーをメインブランドに持つダイドードリンコ<2590>は、定期的なオンキャップキャンペーンに特に定評があり、ここ数年は名車miniやマイケルジャクソンのピンバッチなど、コレクターの心を捉える内容が話題となっている。また今回も同社のブランド「ダイドーブレンド」から、「ダイドーブレンド ブレンドコーヒー」「ダイドーブレンド ブレンド微糖」のリニューアルを機に実施しているという。
展開中のキャンペーンは、加盟航空会社数世界最大の航空連合「スター アライアンス」とコラボレーションし、客室乗務員を乗せると発進する、プルバックプレーンがついてくるオンキャップキャンペーン(数量限定)。コンビニエンスストアを中心に販売しているという。「コレクションには、日本でお馴染みの全日空(ANA)をはじめ、エア・カナダ、トルコ航空、南アフリカ航空など各社のモデルを12種類用意しています。また、可愛らしい客室乗務員のフィギュアを乗せると発進する仕掛けで、航空機ファンだけでなく、幅広い世代のユーザーにも楽しく遊んでいただける内容となっています。スター アライアンスのワールドワイドなスケール感と、味わいへのこだわりから世界各国の焙煎豆をブレンドしたダイドーブレンドの世界観は、共通するところがあります。キャンペーンを通じて、新たなファンを獲得してユーザー層を拡大していきたいと考えています」と担当の松田氏。また「1975年の発売以来、缶コーヒーのパイオニア的存在としてロングセラーを続けています。香料を使わない独自の製法は変わらず、今回のリニューアルでは、世界有数のコーヒー産地から厳選した5カ国の豆を各々の特長を引き出すために研究・進化させた最適な焙煎方法で、それぞれ4段階に焼き分けた20種焙煎豆をブレンド。これにより奥深いコクとスッキリした後キレがさらにアップし、味にこだわる“微糖”ユーザーに以前にもまして納得していただける製品に仕上がっています」とも語っている。
アサヒ飲料は、缶コーヒーブランド「ワンダ」から、新ブランド「大人ワンダ」を新たに展開、その第2弾商品「ワンダ 大人ワンダ ザ・ブラック」を、4月2日より全国で発売する。また同時に週刊「少年ジャンプ」で連載されていた宮下あきら原作のコミック「魁!!男塾」の人気の高い8キャラをリアルに再現したフィギュアコレクションが1本に1個ついてくるというキャンペーンを開始するという。さらに4月16日より、全国のコンビニエンスストアにてUCCが「HARLEY-DAVIDSON (R) 110thアニバーサリーコレクション」キャンペーンを実施。これはコーヒー本来の香りとコクを楽しめる缶コーヒー「UCC THE DEEP BLACK無糖 リキャップ缶400g」1本に1個、約1/45スケールのバイクフィギュアがついてくるという。コレクションは人気モデルである「Fat Boy(R)」やハーレーらしいチョッパースタイルの「Dyna(R) Wide Glide(R)」など全8種類のようだ。
缶コーヒーといっても消費者の嗜好が多様化してきたこともあり、各ブランド、味覚だけでなくシチュエーション別や量など、あらゆる内容のものが登場している。タバコなどと同様、嗜好品である缶コーヒーは、男性が主の愛飲者であり、一度気に入ると、「他を飲んでみよう」という気持ちが起こりにくい商品であるとも考えられている。そのような中、通常購入する缶コーヒーが決まっていても、こうした男性の興味をそそるようなフィギュア付きともなれば「一度飲んでみようかな」と、選ぶ時の気持ちを揺さぶる効果的なポイントにつながるのかもしれない。一度、飲んでもらうことでその良さを知ってもらいたいと考える各社にとって、このキャンペーンは重要とされているようだ。今後どのブランドがどのようなフィギュアとのコラボレーションを展開するのか、注目していきたい。(編集担当:宮園奈美)