後発医薬品の動向次第で将来が大きく変わる、医薬品市場

2013年04月18日 18:33

 2010年の新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度創設に伴う長期収載品(後発医薬品のある先発品)の薬価の引き下げや、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の認知度向上など、市場の動向を左右する大きな動きの真っ只中にある医薬品市場。この医薬品市場につき、矢野経済研究所が将来予測を発表した。

 本将来予測では、医療制度改革が医薬品需要に多大な影響を及ぼし、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の数量ベースシェアが2018年頃までに60%に達し、市場は新薬か後発医薬品かという構造を持つことを想定。その結果、医療用医薬品生産高(輸入品を含む)は2013年が9兆3090億円、2016年が9兆6859億円、2020年には9兆9780億円へと徐々に拡大すると予測している。

 さらに同予測では、医薬品需要と企業努力の底固さと、結果的に穏やかに推移する医療制度改革を加味し、長期収載品は段階的に消失するものの、時間をかけつつ市場は変化を遂げる場合の予測も算出。その結果、医療用医薬品生産高は2013年が9兆6740億円、2016年が10兆7751億円、2020年が12兆3617億円になると予測している。

 本将来予測は、後発医薬品の普及が医薬品市場の拡大を妨げる可能性を示唆しているであろう。安価な医薬品の普及は、医療費の抑制、特に今後爆発的に増加するであろう高齢者の医療費抑制に一役買うものである。しかし、その結果として医薬品市場が減退し製薬企業の体力がなくなれば、新薬の研究開発が進まないなど、さまざまな弊害が発生する可能性を孕んでいる。消費者としては、同じものがより低価格で手に入ればそれでよいのかもしれないが、後発医薬品の普及は手放しで歓迎できるものではないことは、頭に入れておくべきであろう。(編集担当:井畑学)