10日のNYダウは8ドル安で5日ぶり反落。利益確定売りで低調になり、11日朝方の為替レートはドル円が98円台後半、ユーロ円が130円前後。日本時間で午前5時すぎに伝わったバーナンキFRB議長の「予見できる将来は非常に緩和的な金融政策が必要」「失業率が6.5%を下回ってもすぐ政策金利を引き上げるわけではない」という講演後の質疑応答の内容を受けてドルは対円で100円を割り込んで98円台前半まで急落した。
日経平均始値は141.34円安の14275.26円と大幅安。だがすぐに14300円台に乗せ、30分ほどで14400円にタッチしてプラス圏に浮上した。要因はドル円レートの急速なリカバリーで、反転するとあっさり下落して10時台には14400円を割り込み再びマイナスに。SQ前日でもあり為替レートにデリケートに反応しながら中国市場が開く「危険な時間帯」の午前10時台を迎えたが、上海も香港も3日続伸で始まったのでプラス浮上。しかし為替が再び98円台になったために前引け前に再びマイナスになった。午前11時47分に日銀金融政策決定会合の結果発表。金融政策の現状維持を全員一致で決め、景気判断は7ヵ月連続で引き上げ、「持ち直している」を「緩やかに回復しつつある」に改めた。「回復」の文字が入るのは2年半ぶり。
後場の日経平均は変化が激しい。円高進行で急落し一時14300円を割るが、98円台の円高基調そのままに午後2時頃から急回復し、14400円を突破してプラス圏に浮上し一時は14500円まであと4円まで迫った。その背景は上海市場が一段高でアジア市場が揃って堅調になったこと。日経平均はプラスに浮上するがTOPIXはたびたびマイナスで、終値も日経平均が55.98円高の14472.58円に対しTOPIXは-0.43の1194.77で「NTねじれ現象」で終わった。売買高は27億株、売買代金は2兆2305億円だった。
業種別騰落率でプラスは不動産、鉱業、ガラス・土石、機械、水産・農林、証券など。マイナスはパルプ・紙、電気機器、保険、化学、繊維、精密機器などだった。
11日のNYダウは30種全て上昇し169ドル高。終値15460ドルで史上最高値を更新し、S&P500も6日続伸で12年9ヵ月ぶりの史上最高値更新。前日のバーナンキ発言がビッグサプライズだった。12日朝方の為替レートは、ドル円が98円台後半、ユーロ円が129円台半ばで円高基調は相変わらず。
マイナーSQ算出日の日経平均は2.59円高の14475.17円で始まる。午前9時6分にファーストリテイリング<9983>に2000円安の始値がついて急落したところでSQ値14410.75円が出た。それでもTOPIXが先行してプラスに浮上し、ドル円が99円台に乗って10時前には14500円を突破し14574円まで上がるが、上海、香港市場がマイナスで始まった上に為替が円高方向に戻し、上昇幅を縮小して11時台にはマイナスに。TOPIXはその間もずっとプラスを維持し、日経平均も前引けでプラスになった。
後場はプラスでスタートし、おおむね14500円台で約50円幅の小動きが続く。大引け直前に14500円を割り込むが、終値は33.67円高の14506.25円で、前週末比で196円上昇して今週の取引を終えた。TOPIXは+7.22の1201.99で1200台に乗せた。売買高は26億株、売買代金は2兆2931億円でSQとしてはあまり多くない。
業種別騰落率で上昇は鉄鋼、非鉄金属、ガラス・土石、パルプ・紙、金属製品、機械など。下落セクターはその他金融、小売、不動産、証券、水産・農林、空運の6業種だった。(編集担当:寺尾淳)