三井不動産 ららぽーと 中国・上海へ“輸出”へ

2013年08月11日 13:03

 複合商業施設の「ららぽーと」が初めて海外出店を行う。三井不動産<8801>は、上海市浦東新区金橋出口加工区に、「ららぽーと上海金橋(仮称)」を開設すると発表した。2014年12月に着工し、17年の開業を予定している。同社は、このプロジェクのため、100パーセント出資による「上海井橋商業管理有限公司」を4月に設立している。

 三井不動産は11年9月、浙江省寧波市に、初の海外商業施設となる「杉井アウトレット広場・寧波」を開業している。今回はこれに次ぐプロジェクトであり、郊外型商業施設「ららぽーと」として初の海外進出となる。

 浦東新区は、上海浦東国際空港やリニアモーターカーが建設され上海の東の玄関口として整備が進められており、上海東部の経済特区として金融、IT、電子、化学などの各種産業の発展が進む上海市を代表する新興開発地区。15年には上海ディズニーランドの開業も予定されており、今後ますます注目度が高まるエリアだ。周辺の金橋出口加工区は、かつては多くの工場が立地するエリアだったが、近年工場の移転等にともない商業・住宅の開発が急速に進み、地下鉄、道路などの交通インフラの整備が進みつつある。浦東新区中心部から約7キロメートルの好立地で、周辺には高級住宅が建ち並び、外国人をはじめとする中・高所得層が多く居住するエリアだとしている。

 施設は、地上7階、地下2階建て、延床面積142,000平方メートル、約200店舗の予定。店舗構成については、日本国内で展開する「ららぽーと」と同様に、アパレルを中心とした物販店舗、大規模なスーパーマーケットなどに加え、時間消費型機能としてアミューズメントや飲食店舗などを計画している。

 同社は、中国以外にもマレーシアなどでアウトレット施設を開発中であり、中国をはじめとしたアジアでの商業施設事業を、今後積極展開していくという。

12年10月には、中国東北部最大の都市である遼寧省瀋陽市に、三菱地所<8802>が「瀋陽パークアウトレット」をオープンしているし、住友不動産も中国の大連市で合大規模マンションを14年以降に開発・分譲する。国内の大手不動産の中国への進出が続いている。(編集担当:久保田雄城)