人気SUVに「静かなる引退」は認められず。ハリアー・ハイブリッド、堂々の復活

2013年11月14日 08:07

Harrier

ハリアーのラインアップ中で最上級グレード「“PREMIUM “Advanced Package”ハイブリッド」(447.0万円/オプション除く)、ボディカラーはスパークリング・ブラックパール・クリスタルシャイン。

 予告されていたトヨタのSUVハリアーが東京モーターショー(TMS)開幕前に発表となった。11月23日から一般公開されるTMSのトヨタ・ブースに展示されることは間違いない。

 ところで、トヨタ・ハリアーはデビューそのものが不幸だった。北米では1995年頃から、それまで「クロスカントリー4WD」などと呼んでいた車高が高めで大径タイヤを装着した4WD車を、スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル(スポーツ多目的車/SUV)と呼称し始めた。そんな最中の1997年にハリアーはデビューした。日本国内ではトヨタ系ディーラーチャネルのトヨペット店の専売モデルとして、大ヒット作となった。ただし、北米マーケットでは、レクサス・ブランドの高級SUVとして供給された。ここにその後、トヨタ・ハリアーとレクサスRXの間に齟齬が生まれるいちばんの要因があったのである。

 トヨタは北米における高級ブランド「レクサス」販売ネットワークの成功を日本に持ち込んだ。2005年のことだ。ハイブリッドカーをフラッグシップとして、レクサスはRX450hをラインアップ。同時にハリアーのハイグレードモデルが削減され、ハリアーは2012年には生産終了が宣言された。

 しかしながら、国内トヨペット店営業からの日増しに高まるラブコール、そしてハイアー・ユーザーの熱い声に応え「新型ハリアー」が復活する。新型の発売は2013年12月2日。レクサスとは別に国内専用モデルとして新開発したモデルだという。

 気になるパワーユニットは予想どおり2種だ。大別すると、2リッター4気筒エンジンのベーシックモデル(FF/4WDで価格272.0万円-378.9万円)と2.5リッター4気筒エンジンに2モーター駆動を組み合わせるハイブリッド4WD(価格361.0万円-447.0万円)に分けられる。

 2リッターガソリン車のアウトプットは最高出力151ps(111kW)/6100rpm、19.7kg.m(193Nm)/3800rpmと1.6トン超のクルマには可も無く不可も無いといったレベルだ。

 ハイブリッド車(HV)は電気式4WDでやや複雑だが、2.5リッターのアトキンソンサイクルエンジンの出力・トルクは2リッターエンジンと大差なし。アシストするフロント&リアの2つのモーターが本領を発揮すると思える。この辺りのシステムは、旧ハリアーHVと大きな違いはない。新型のハイブリッドによるシステム総合出力は197ps(145kW)とされ、ハリアーのベストセレクションは、やはりHVになろう。ガソリン車の燃費(JC08モード)が14.8km-16.0km/リッターに対し、HVが21.4km-21.8km/リッターと大きな違いがある。今回の新型はガソリン車、HVともにレギュラーガソリン仕様であることもニュースか。安全装備などグレードごとの違いが大きいので、詳細はカタログやトヨタのサイトで確認されたい。(編集担当:吉田恒)