【今週の振り返り】215円も上昇した?と思えるほど停滞した週

2013年11月23日 12:32

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高値警戒感で上値が抑えられて3日連続でポイントを失い、最後は強烈な先物大口売りパンチ

 19日のNYダウは8.99ドル安で5日ぶりに反落し一服。一時は16000ドルにもタッチするが、高値警戒感に加えてバーナンキFRB議長の講演待ちもあってもみあい。20日朝方の為替レートは、ドル円は100円台前半、ユーロ円は135円台半ばで、前日よりも円安方向に戻しユーロ高が進んでいた。

 踊り場が2日続いた日経平均は49.79円高の15176.35円と高く始まる。すぐ15200円にタッチするが長続きせずマイナスになる時間帯もあるが、30分ほどで15180円付近で落ち着いた。ところが日本時間で午前9時に始まったバーナンキFRB議長の講演内容が伝わり、量的緩和政策の早期縮小に否定的だったにもかかわらず日経平均は急落し、10時を回ればドル円が100円を割りそうになりマイナスまで転落。10時30分すぎ、上海、香港市場がプラスで始まり日経平均もプラスに持ち直すが、11時台には再び急落し15088円まで下げ、前場はマイナスで終了する。

 後場は下げ幅を圧縮したのは最初の15分だけでマイナス圏の30円値幅で上下動を繰り返す弱々しい相場。それでも午後1時20分すぎにはプラスに浮上し、プラスとマイナスの間を往復する値動きが50分ほど続く。だが、為替のドル円がたびたび100円割れし、2時をすぎると再び急落をみせ15069円まで下げる。徐々に戻しても最後は下げて終わり50.48円安の15076.08円。相変わらず需給は不安定で、先物の大口売りに押されて3日続落した。TOPIXは-3.43の1233.43で続落。売買高は21億株、売買代金は1兆7657億円で、商いは8日以前の水準に逆戻りした。

 業種別騰落率のプラスは9業種で、上位は繊維製品、パルプ・紙、鉱業、ゴム製品、食料品、金属製品など。マイナスは24業種で下位は保険、銀行、電気・ガス、不動産、建設、水産・農林などだった。

 20日のNYダウは66ドル安と続落。小売売上高が市場予測を上回り一時16000ドルにタッチするなど小幅高でもみあっていたが、セントルイス連銀のブラード総裁が12月の量的緩和縮小の可能性に言及し、午後公開された10月のFOMC議事録にも「数回以内の会合で量的緩和縮小決定」と解釈できる委員の発言が記録されていたため下落した。21日朝方の為替レートはドル円が100円台前半、ユーロ円が134円台後半で、ECBがマイナス0.1%の預金金利検討という報道でユーロが安くなった。

 取引時間前に財務省が発表した前週分の対外対内証券売買契約は、株式が1兆2949億円という4月第2週以来史上2番目の巨額流入超で、前週、海外資金がリスクオンして日経平均を1079円上昇させたことを改めて確認。直前にドル円が100円を超えて日経平均は100.57円高の15176.65円と反発スタートした。当初15170~15200円の値幅で小動きが続くが、9時30分すぎに一気に15300円突破。ドル円が円安方向に15銭以上動いただけが理由ではなさそうだ。10時台にも一段高で、10時45分に中国のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表され前回の50.9も市場予測の50.8も下回る50.4と悪化し中国市場が下落しても、おおむね15300円台を堅持して前引けを迎えた。

 昼休みに日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、現状政策維持。後場は14300円を割り込んで始まり、その後は15300円にタッチしては押し返される小動きで、3時30分からの黒田日銀総裁の記者会見待ちムード。1時45分頃から15300円台に乗せて15310円にもタッチ。2時発表のスーパー売上高は0.5%の増加で3ヵ月連続で前年同月を上回り、日経平均は15300円台前半で小動きを続ける。終盤に15350円を超えて終値は289.52円高の15365.60円で4日ぶりに反発。TOPIXは+12.88の1246.31で日経平均ほどは伸びていない。売買高は25億株、売買代金は2兆3466億円で2兆円の大台を回復した。

 上昇セクター上位は情報・通信、機械、保険、精密機器、繊維、電気機器など。下落セクターは空運、不動産、電気・ガスの3業種で、上昇セクター下位は金属製品、石油・石炭、非鉄金属などだった。