【日経平均】「サヨナラ負け」で安値引けを喫し25円安

2014年02月06日 20:46

 政治がらみの材料では、極洋<1301>はソチ冬期五輪開会式に安倍首相が出席しプーチン大統領と日ロ首脳会談を行うことが材料視され5円高。日ロ関係が改善するとロシア産の水産物の輸入が急増する可能性があるという。マルハニチロHD<1334>の「ロ」はロシアのロだが1円安。中部電力<9502>は浜岡原発4号機の再稼働の審査申請を14日に行うと報じられ33円高になったが、東京都知事選の結果に左右されるかもしれない。東京電力<9501>は17円高だった。

 ソチ五輪を控えてミズノ<8022>が4~12月期決算を発表。国内でブームのランニングシューズ、北米でのゴルフ用品の販売が増加し売上高は9.3%増、営業利益は52.5%増、純利益は52.1%増。通期見通しは据え置いたがストップ高の73円高で値上がり率4位。スポーツも好調なら音楽も好調でヤマハ<7951>の4~12月期決算は北米でピアノが売れ円安メリットも出て売上高12.7%増、営業利益2.2倍、純利益4.3倍。しかしインドネシアのギター製造子会社でストライキが起きて操業を停止し6億円の特別損失を計上して通期見通しを据え置きとしたため、株価は114円安で値下がり率7位だった。

 JIN<3046>は「JINS PC」の大ヒットの反動減がひどく、2014年8月期の営業利益見通しを68億円から25億円へ、純利益見通しを39億円から12億円に大幅下方修正。2013年8月期の過去最高益から大幅減益の見込み。期末配当見通しも32円から10円へ一気に下げた。野村證券が投資判断を引き下げた影響もありストップ安の700円安で昨年来安値を更新し値下がり率1位になった。吉野家HD<9861>は、「牛すき鍋膳」が貢献して1月の「吉野家」の既存店売上高が14.2%増になり35円高で昨年来高値を更新した。牛鍋は食べるのに時間がかかり客回転率が下がるという発想はもう古いのかもしれない。牛鍋屋も探せるグルメ検索サイトのぐるなび<2440>の4~12月期決算は2ケタ増の増収増益で、通期見通しは売上高は据え置きでも営業利益は5億円、純利益は3億円上方修正して412円高で値上がり率5位。期末配当は10円を15円に上方修正し、通期では25円。3月末に1株を2株に分ける株式分割の実施も発表して投資家を喜ばせた。

 ゲーム・コンテンツ関連では、好決算のスクエニHD<9684>は272円高で値上がり率11位に入り、この日も売買代金2位と大商い。グリー<3632>は後場上昇して65円高だった。Klab<3656>は韓国のNHNとの提携が報じられストップ高比例配分の100円高で値上がり率3位。NHNとの提携で株価が急上昇したエイチーム<3662>が記憶に新しいだけに注目を集めた。今やゲーム関連と言うよりもカジノ関連として注目されるセガサミーHD<6460>は4~12月期の営業利益が6.4倍の業績観測で37円高。DeNA<2432>は「モバゲー」が低迷し今期最終は31%減益、配当は13円減配、通期見通しが営業利益3%減で上場来初の減益決算を見込んだため朝方は昨年来安値を更新して始まったが、その後は見直し買いが入って98円高と大幅上昇した。

 この日の主役は売買高2位、売買代金3位で20円高のマツダ<7261>。通期の営業利益見通しは1600億円を1800億円に上方修正。純利益見通しは1100億円で6年ぶりの最高益更新を見込み、利益率でホンダ<7267>を抜いた。10~12月期の営業利益が前年同期比で6.2倍と上り調子な点が好感されている。前期は無配だったが今期末は1円を配当し4期ぶりの復配を果たす見込み。8月1日付の5対1の株式併合、売買単元の100株への変更も発表した。2001年までは商法で原則禁止されていた株式併合は投資家にとって望ましくない経過をたどった銘柄が多いが、マツダはジンクスを打ち破れるか。(編集担当:寺尾淳)