日本一「カレー好き」な石川県、「金沢カレー」のブランド化進める

2014年03月02日 15:43

 学校給食でも家庭料理でも、外食でも人気があるメニューといえば「カレーライス」。もはや国民食ともいえるが、特に「カレー好き」なのは石川県民だ。

 タウンページデータに登録されている職業分類「カレーハウス」の件数をみると、人口10万人あたりの件数が最も多いのは、なぜか石川県。10万人あたり6.62件の「カレーハウス」がある。2位は北海道で5.09件。3位は東京都で3.77件だ。

 国内で最も店舗数が多いのは「カレーハウスCoCo壱番屋」。本社のある愛知県は、カレーハウス件数で10位以内にランクインしているものの、全国的にみると石川と北海道が断トツで多い。カレーハウスの件数は「西高東低」だ。関西地方で比較的多く、関東、東北地方では少ない。

 日本一「カレー好き」ともいえる石川県のカレーハウス各社。会社の規模では「CoCo壱番屋」に敵わないものの、00年代後半からは「金沢カレー」のブランド化が進んでいる。金沢カレーの特徴は、黒くてどろっとした濃厚なルウが米飯を隙間なく覆っており、とんかつとキャベツの千切りが載っていること。なぜかステンレス製の皿に盛られており、先割れスプーンやフォークで食べる。

 北陸朝日放送では昨秋、「北陸食遺産スペシャル~知られざる金沢カレーの系譜~」と題した特番を放送。いわゆる金沢カレーは、50年前に営業していた「レストランニューカナザワ」に在籍していた5人のシェフたちがそれぞれ独立し、開業する中で作られていったものという。現在、金沢カレーを代表するカレーハウス、「キッチンユキ」や「カレーのチャンピオン」「ゴーゴーカレー」などは全て、1軒のレストランに原点があるようだ。

 これらのカレーハウスは「金沢カレー」を銘打ち、関西圏や首都圏にも積極的に進出している。ご当地カレー、B級グルメブームも追い風となり、関心を集めているようだ。一足早くブランド化に成功した「札幌スープカレー」のように、「金沢カレー」が外食産業の中で定着する日も近いかもしれない。(編集担当:北条かや)