【今週の振返り】クリミア半島と中国で946円も下落した週

2014年03月15日 20:13

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クリミア半島情勢はプーチン大統領の政治判断次第だが、中国の「伏魔殿」ぶりは百年たっても治らない?

 中国では全人代が閉幕。後場の日経平均は前引水準で始まったが、午後1時前に14860円あたりまで急落するなどせわしなく動く。それでも徐々に値を切り上げ、2時前には14900円台に乗せて2時12分に14919円まで上がるが、2時台後半に伝わった中国の経済指標は固定資産投資も工業生産も小売売上高も市場予測を下回る。ドルは下落し、日経平均はたちまちマイナス圏まで急落。14800円を割り込み14790円まで下げた。そこからプラス圏まで戻すが、大引けは小幅マイナスで14.41円安の14815.98円と続落した。日中値幅は129円。TOPIXは-3.48の1203.46。売買高は16億株、売買代金は1兆6317億円で、どちらも今年最低だった。

 プラスは9業種、マイナスは24業種で、プラス上位はパルプ・紙、空運、ガラス・土石、情報・通信、その他製品、繊維など。マイナス下位は海運、不動産、証券、倉庫、銀行、ゴム製品などだった。

 13日のNYダウは231ドルの大幅安で4日続落。NASDAQも反落した。朝は新規失業保険申請件数や小売売上高の数字が良くプラスで始まったが、中国の経済不安、ウクライナをめぐる地政学的リスクに改善の兆しなく、NYダウは沈み続けた。リスク回避の円買いで、14日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は141円台前半まで円高が進んだ。

 未明に地震も発生し外部環境は最悪、大幅安覚悟でメジャーSQを迎えた日経平均は289.70円安の14526.28円で始まり、午前9時8分に14408円で底を打った後は少し戻す。SQ清算値14429.87円が出た後はおおむねSQ値を少し上回るレンジの小動きで推移した。上海、香港市場がマイナスで始まっても反応しなかったが、前引は14411円でSQ値を割り込んだ。

 後場は一段安の14400円割れスタート。14400円にときどきタッチしながら14300円台後半で水平飛行。日経平均は午後2時前に14300円台前半まで下げ、2時を回ると前日比で500円を超える下落になり14300円も割り込む。2時10分の14280円で底を打って14300円台に戻るが、それが精いっぱいで終値は488.32円安の14327.66円でSQ値から102円も低く3日続落。1勝4敗、前週末比で946.41円も下落して今週の取引を終えた。日中値幅は259円と大きい。TOPIXは-38.76の1164.70で9日ぶりに1200割れ。メジャーSQなのでさすがに売買高は32億株、売買代金は3兆2403億円と多かった。

 東証1部33業種別騰落率は全て下落。下げ幅が小さいセクターは水産・農林、海運、空運、不動産、鉄鋼、小売など。大きいセクターは電力・ガス、機械、医薬品、ゴム製品、精密機器、パルプ・紙などだった。(編集担当:寺尾淳)