【日経平均】小型株が物色されTOPIXはプラスでも52円安

2014年03月25日 20:36

 ホンダ<7267>が24円高で9日ぶりに反発。トヨタ<7203>は43円高、「インフィニティ」の中国生産を年内に開始し、2018年までに半数を現地生産にすると報じられた日産<7201>は8円高で、日産車体<7222>が98円高で値上がり率13位に入っていた。三菱自動車<7211>4円高、富士重工<7270>21円高と自動車は堅調だった。電機は高安まちまち。医療機器などヘルスケア関連の売上を5年で2倍にする計画を打ち出した日立<6501>は11円高で10日ぶりに上昇したが東芝<6502>は1円安で、ソニー<6758>は39円高、パナソニック<6752>は1円高だったがシャープ<6753>は6円安。富士通<6702>は3円安、東南アジア諸国の人工衛星の製造を受託するニュースがあったNEC<6701>も7円安だった。

 年度末を控えた機関投資家がポジション調整のために行う同一業種の銘柄間のリバランスがこの日も起き、鉄鋼では新日本製鐵<5401>1円高に対し神戸製鋼<5406>2円安、医薬品では第一三共<4568>9円高に対しアステラス製薬<4503>82円安、精密機器ではオリンパス<7733>20円高に対してニコン<7731>が10円安で昨年来安値更新というように、ペアトレードの対象になりそうな大型株同士で明暗が分かれた。さや取りの仕込みのチャンスだったかもしれない。例年、権利確定イベントを通過した後に出てくる動きだが、今年はなぜか早まっている。

 日立金属<5486>はUBSが目標株価を引き上げて89円高で値上がり率9位。バリューコマース<2491>は三菱UFJ証券が新規に「アウトパフォーム」のレーティングをつけて93円高で値上がり率1位。大和ハウス<1925>はクレディスイスがレーティングを引き下げて39円安だった。

 新興市場は、カイオム<4583>がストップ安の1500円安になるなどバイオ関連もゲーム・コンテンツ関連もロボット関連も不振だったが、その中で大手キャリアの回線を借りて通信事業を行う仮想移動体通信事業者(MVNO)の草分けでジャスダック上場の日本通信<9424>が、業績見通しの上方修正を発表してストップ高の1730円高で昨年来高値を更新していたのが目立っていた。

 この日、東証1部の値下がり率ランキングをにぎわせたのがゲーム関連で、1位はKlab<3656>で62円安、2位はエイチーム<3662>で435円安、9位は「ドラクエ」のスクエニHD<9684>で138円安、12位は恋愛シミュレーション「恋ゲーム」のボルテージ<3639>で98円安。女子の関心は恋愛もいいけれど、やっぱり最後は結婚?

 結婚式場の口コミサイトの運営、結婚関連情報の提供を行うみんなのウェディング<3685>が東証マザーズに新規上場。公開価格2800円に対し9時49分に3560円の初値がついた。終値は3215円。関連銘柄では人気のハウスウェディングをプロデュースするテイクアンドギヴニーズ<4331>は69円安、ワタベウェディング<4696>は8円高、ベストブライダル<2418>は1円安、結婚式場運営のアニヴェルセルを子会社に持つAOKIHD<8214>は5円安で、投資家の関心はもっぱら新規IPOに向いていた模様。

 この日の主役は陸運セクターの鉄道株。日経平均採用銘柄では、JR東日本<9020>167円高、JR東海<9022>250円高、JR西日本<9021>2 円安、京成<9009>18円高、小田急<9007>16 円高、京王<9008>11円高、東急<9005>2円高、東武<9001>値動きなし。京急<9006>は25円高、名鉄<9048>は3円高、阪急阪神HD<9042>は14円高、近鉄<9041>は6円高、西鉄<9031>は7円高だった。

 株主優待の全線パスや回数券、直営レジャー施設チケットを目当てに3月は個人投資家の買いを集め、権利配当取り銘柄の代表格。消費増税前の駆け込み需要も無縁ではなく、運賃値上げ前の3月中に4月、5月期限の6ヵ月定期券が大量に買い直されて増収になるが、それは需要の先食いで反動減は必至。西武HD<9024>の事実上の再上場が4月23日に決まったのも刺激材料だが、上場日が迫れば、それに備えたセクター内の銘柄リバランスで他の銘柄が売られる可能性がある。
(編集担当:寺尾淳)