今週の新規IPOはお休み。4月1日にマルハニチロ<1333>が子会社との合併に伴って再上場し、東証1部上場銘柄としては社名から「ホールディングス」が取れて、証券コードが1334から1333に変更される。
海外の経済指標は1日の中国のPMI、アメリカのISM製造業景況感指数も気になるが、最大の焦点は何と言っても4日のアメリカの3月の雇用統計。夏時間に変わったので発表時刻は日本時間で午後9時30分になる。3月31日はフランスの10~12月期国内総生産(GDP)、ユーロ圏の3月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの3月のシカゴ購買部協会景気指数、ダラス連銀製造業活動指数、4月1日は中国の3月の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)、3月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ドイツの3月の失業率、フランス、ドイツ、ユーロ圏の3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ユーロ圏の2月の失業率、アメリカの3月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)、ISM製造業景況感指数、2月の建設支出、2日はアメリカの3月のADP全米雇用報告、2月の製造業受注、3日は中国の3月のHSBCサービス業購買担当者景気指数(PMI)確報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の3月のサービス業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ユーロ圏の2月の小売売上高、アメリカの2月の貿易収支、アメリカの3月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ISM非製造業景況指数、4日はドイツの2月の製造業受注、アメリカの3月の雇用統計(失業率、非農業部門雇用者数)が、それぞれ発表される。
3月31日は中国の習近平国家主席がブリュッセルのEU本部を公式訪問し、ファンロンパイ大統領、バローゾ委員長との中国・EU首脳会談に臨む。ウクライナ問題での発言が注目される。同じ日にイエレンFRB議長がシカゴで講演する。4月1日はオーストラリア準備銀行(RBA)の理事会とインド準備銀行の金融政策決定会合が開かれる。2日はブラジル中央銀行が政策金利を発表する。3日にはECB理事会が開かれ政策金利を発表する。終了後にドラギ総裁が記者会見する。
アメリカ主要企業の決算発表は、4月2日にモンサントが予定している。
春、満開の桜の樹の下にはとんでもないものが埋まっているというが、3月までの東京市場も何が飛び出してくるかわからない、中国経済も顔負けの「伏魔殿」だった。「4月の消費増税までは昨年末の好調な株価水準を維持して堅調が続く」という大方の想定をくつがえし、日本株は吠える1月、狂う2月、叫ぶ3月の荒海に翻弄され、乱高下を繰り返した。その余韻はまだ残っていて、前週もザラ場にいきなり日経平均が急騰、急落をみせ、その理由についていろいろ憶測は出るものの、これという説明がつかなかったりした。
だが前週は、邪悪なものが飛び出すだけ飛び出した後のパンドラの函の底に「希望のサイン」が見えた週でもあった。一つは権利確定イベントを「配当落ち分の即日埋め」という殊勲で終えたこと。昨年もそうだったが、2001年以降、3月の権利配当落ち日をそれで終えた年は6回あり、そのうち5回は年間の日経平均の騰落がプラスになっている。「相場の地力はついた」と言えるだろう。もう一つは前週のTOPIXが5日間連騰したこと。TOPIXにも先物はあるが日経平均に比べると先物主導で振らされる度合いが小さく、銘柄数が1700以上あるので中・小型株が堅調な日はそれを反映してプラスになることが多い。人体にたとえれば中・小型株の市況は日本株の「心肺機能の強さ」「基礎体力」を示すから、それが充実して大型株も実力を発揮すればバランスのとれた相場になる。そんな前週の「春のめざめ」が発展して今週、どんな筋書きのドラマをみせてくれるだろうか。