金融緩和期待でメガバンクはこの日も上昇し、みずほ<8411>2円高、三菱UFJ<8306>11円高、三井住友FG<8316>101円高。野村HD<8604>11円高など証券セクターも軒並み高だった。為替の円安進行で自動車、電機、機械はおおむね株価上昇。2013年の日本国内の新車販売は年間トータル569万台。3月のアメリカの新車販売台数は5.7%増で、日本勢は日産<7201>が伸び率最大の8.3%増、トヨタ<7203>は4.9%増、ホンダ<7267>は2.0%減だった。トヨタは中国の3月の新車販売台数も19%増で、野村證券が目標株価を引き上げて34円高。ホンダは43円高、マツダ<7261>は13円高で、値上がり率が一時5%近くまで上昇した。ベンツからエンジンを調達して「スカイライン」に搭載し価格を下げる日産は14円高。「ケンとメリー」以来のファンは喜ぶか、それとも嘆くか。富士重工<7270>は81円高で売買代金11位と買われた。ベアリングの日本精工<6471>は日経新聞に、今期の営業利益が上振れし640億円で7期ぶりに最高益更新という業績観測が出て63円高になった。
パナソニック<6752>は15円高、シャープ<6753>は7円高だったが、ソニー<6758>は21円安と反落し連騰は9日間でストップ。日本電産<6594>は逆行安して89円安。ファナック<6954>も35円安で終えた。日本通信<9424>の人気は続き65円高で年初来高値更新。後場にLINE関連銘柄が買われてエイチーム<3662>が一時ストップ高の445円高で値上がり率4位、アドウェイズ<2489>が130円高になった。ダイキン<6367>は91円高で8日続伸。三菱重工<7011>は10円高で7日続伸と好調持続。住友金属鉱山<5713>はシティGが目標株価を引き上げて16円高だった。
北海道電力<9509>に続き、この日は九州電力<9508>も日本政策投資銀行が優先株を1000億円分引き受けて支援する話が出たが60円安で値下がり率4位。北海道電力は42円安で年初来安値を更新し同3位だった。オリックス<8591>は、バイオマス発電、石炭火力発電事業に最大1500億円を投資すると報じられ15円高。2016年度から電力小売に参入する東京ガス<9531>は2円安。JFEHD<5411>傘下のJFEエンジニアリングも電力小売に参入すると伝わり24円高になっていた。
31日のイエレン発言に続き2日のECB理事会での金融緩和観測が浮上し、来週の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待も加わり金利敏感セクターの銀行、証券、不動産などが買いを集めた。不動産大手は三井不動産<8801>が売買代金13位で55円高、三菱地所<8802>が同10位で59円高、住友不動産<8830>が169円高。ケネディクス<4321>は32円高で値上がり率3位、売買高5位。不動産含み資産関連のJフロントリテイリング<3086>は森ビルと組んで松坂屋銀座店跡地に複合ビルを着工し2016年秋に開業すると発表し15円高になった。
小売セクターでは、ビックカメラ<3048>は9~2月期の営業利益が5割増で従来予測より1億円多いと報じられたが19円安。ファッション小売のハニーズ<2792>は6~2月期決算を発表し初の最終赤字で23円安。しまむら<8227>は野村證券がレーティングを引き下げ前場で年初来安値を更新したが、後場上昇し90円高。オンワードHD<8016>は2月期決算で売上は伸びても円安で仕入れコストが増大し一転減益という業績観測で17円安。4日に決算を発表する。
この日の主役は半導体関連銘柄。SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が1日に12年ぶりの高値をマークしたが、アップルがルネサスエレクトロニクス<6723>と子会社の買収交渉中と報じられさらに盛り上がった。東京エレクトロン<8035>は260円高で年初来高値更新、アドバンテスト<6857>は41円高、大日本スクリーン製造<7735>は24円高、SUMCO<3436>は21円高。当のルネサスエレクトロニクスは前場一時ストップ高の47円高で年初来高値を更新した。経営再建には好ましいニュースになる。(編集担当:寺尾淳)