【日経平均】悪材料ばかりの340円安で今週は日本株大崩壊

2014年04月11日 20:17

 セイコーエプソン<6724>は3月期決算の営業利益が前期比3.9倍の820億円という業績観測報道が出たが市場予測を下回り156円安で値下がり率12位。昭和電工<4004>もハードディスクの需要が回復して1~3月期の営業利益が8割増の60億円と発表したが3円安だった。SMBC日興証券が前日にセクター判断を「強気」から「中立」に引き下げた情報・通信はKDDI<9433>が89円安、NTTドコモ<9437>が33円安でどちらも年初来安値を更新し、ソフトバンクは274円安だった。九州電力<9508>は、全国で再稼働に最も近いと言われる川内原発に「合格」のお墨付きが出るのが6月以降と報じられ前場はマイナスだったが、後場に上昇し18円高。電力・ガスのセクターは10電力で下落したのが四国電力<9507>だけで、業種別騰落率もプラスになっていた。

 3月期決算銘柄だが前日に早々と本決算を発表した医療用品のホギメディカル<3593>は、今期業績見通しは売上高6.2%増、営業利益6.2%増、純利益9.2%増で、純利益は3期連続の最高益更新。4円の増配見通しも好感され150円高だった。スター精密<7718>は2月期本決算を発表して営業利益65%増で、その今期見通しは80%増と好調を維持する見込みで71円高で値上がり率6位。ポケットカード<8519>は2月期の営業利益が71.8%増、今期も33.5%増の大幅増益見通しを好感され76円高で値上がり率1位。同じノンバンクのクレディセゾンは後場上昇して56円高になった。一方、値下がり率1位になったのが津田駒工業<6217>で、11月期の営業利益見通しを9億円から2億5000万円に大幅下方修正したのを嫌気され21円安で年初来安値を更新した。

 4月1~7日の液晶テレビの販売が33%減という速報が出たが、ヤマダ電機<9831>は4円高。8月期の中間決算の経常損益が8.3億円の黒字になったコジマ<7513>も10円高で年初来高値を更新し値上がり率17位に入った。クルーズ<2138>はiPhone向けにパズルRPGの「モンスターエッグアイランド」の配信を開始したと前日発表して一時ストップ高の635円高と買われた。前日は大きく上昇したエイチーム<3662>は450円安と反落し値下がり率2位。Klab<3656>は38円高で値上がり率5位になった。

 この日の主役は、前日に決算発表を行った小売業の銘柄。2890円安で年初来安値を更新したファーストリテイリングは8月期の中間決算を発表し、通期の営業利益を1560億円から1455億円に、純利益を920億円から880億円に下方修正し、営業利益は9.5%の増益を維持したが純利益は2%増益から3%減益に変わった。国内ユニクロ事業の採算が悪化しており野村證券は目標株価を引き下げた。Jフロントリテイリング<3086>は駆け込み需要が出た下期に挽回して2月期の営業利益は3%増で4円高。大丸松坂屋の1108人の人員削減を発表した。同じく百貨店の松屋<8237>は38円高で値上がり率10位に入っていた。

 ローソン<2651>の2月期の営業利益は2.8%増の681億円で、今期の営業利益は前期比10.1%増の750億円を見込む。市場予想の726億円を上回り110円高。イオン<8267>の2月期の経常利益は16.8%減の1768億円だったが今期は15.9%増の2050億円になると見込み市場予測を上回って4円高。年間配当は2円増配して28円。ユニーGHD<8270>は今期の営業利益を18%増の300億円と見込み、市場予測の239億円を上回って26円高で値上がり率12位だった。

 「無印良品」の良品計画<7453>は今期、営業利益22%増の255億円で連続最高益を見込み、市場予測の230億円を上回って1090円高で値上がり率2位。年間20円の増配も予想している。チヨダ<8185>は2月期は営業利益は15%、純利益は18%の減益だったが、今期の営業利益を8.6%増の114億円と見込み157円高で年初来高値を更新し値上がり率4位。50万株の自社株買い実施方針も好感された。日経新聞には「小売業の7割が増収増益」と出ていたが、今期見通しは反動減を見込んで保守的なところと、チャレンジングな数字を出すところが混在している。(編集担当:寺尾淳)