建設セクターでは、大林組<1802>は白石達社長が「建設需要は復興で2~3年は高水準」とインタビューに答えて3円高。前田建設工業<1824>は国内に5、6カ所のメガソーラーを建設すると報じられ1円高で年初来高値更新。しかし日揮<1963>はバークレイズがレーティングを引き下げて115円安と大きく下落。千代田化工建設<6366>は24円安、東洋エンジニアリング<6330>は15円安とプラント大手はふるわない。不動産セクターは業種別騰落率最下位。三井不動産<8801>は68円安、住友不動産<8830>は43円安、三菱地所<8802>は34円安で、積水ハウス<1928>が34円安になるなど住宅メーカーも悪かった。
医薬品関連では、エーザイ<4523>が神戸の研究施設を拡張し人員も倍増すると報じられ7円高。ゼリア新薬工業<4559>は「ヘパリーゼW」がヒット商品になり3月期決算で営業利益が過去最高の観測が出て66円高。不振の海運セクターに追い討ちをかけるように中国・浙江省の港に停泊中の商船三井<9104>の鉱石運搬船1隻が上海海事法院の決定で差押えを受けた。78年前の債務の補償といい株価は4円安。日本郵船<9101>も1円安だった。
運輸のセイノーHD<9076>はバークレイズがレーティングを引き上げて46円高で値上がり率12位。18日に2月期決算を発表し、26.8億円の最終赤字でも今期は6.4億円の最終黒字見通しのリソー教育<4714>はストップ高の80円高で値上がり率1位。退会者への未実施授業分の返金も発表した。同業の東京個別指導学院<4745>は17円安で値下がり率10位。東天紅<8181>は2月期本決算を発表。経常赤字でも今期の業績見通しで20億円の最終黒字を見込むのを好感されて7円高。北陸・東海地方のドラッグストアチェーンのゲンキー<2772>は6月期の7~3月期決算を発表し売上高は4.2%増で、営業利益は約2.3倍の急拡大で55円高で年初来高値を更新していた。
前週末18日の主役だった格安スマホ関連のIIJ<3774>は58円安と反落。同じくMVNOの日本通信<9424>は27円安と利益確定売りに押された。一方、フリービット<3843>は63円高。格安スマホ販売元のビックカメラ<3048>は14円高で年初来高値を更新し、イオン<8267>は9円高だった。新興市場のゲーム・コンテンツ関連銘柄は、クルーズ<2138>は225円安だったが、ミクシィ<2121>は130円高と大きく上昇。マザーズから東証1部への市場変更を翌日に控えたコロプラ<3668>は24円高で4日続伸した。東証1部の先輩のKlab<3656>は28円安で値下がり率11位だった。
この日の主役はその他金融セクターの「ノンバンク」。自民党が貸金業の金利規制を緩和する方向と報じられて買われた。健全経営と認められた業者に限って金利上限を現在の20%から29.2%に引き上げる内容で、調達金利との差が開く分、利益は拡大する。
アイフル<8515>は一時ストップ高の35円高で値上がり率4位、売買高1位、売買代金2位。アコム<8572>も一時ストップ高の28円高で年初来高値を更新し値上がり率7位、売買高7位、売買代金8位。アプラスF<8589>は17円高で年初来高値を更新し値上がり率2位、売買高4位。ポケットカード<8519>は8円高。クレディセゾン<8253>は40円高。オリコ<8585>は26円高で年初来高値を更新し値上がり率3位、売買高2位、売買代金3位。ジャックス<8584>は16円高。JトラストHD<8508>は111円高。新生銀行<8303>は8円高で売買高3位、売買代金7位。セブン銀行<8410>は6円高。丸井G<8252>は28円高だった。
商いはにぎわったが、金融庁ではなく自民党筋の情報に基づく新聞記事を材料に短期筋の買いが集まっただけなので、18日に上昇した格安スマホ関連銘柄と同様、1日限りの動きで終わる可能性がある。(編集担当:寺尾淳)