【日経平均】終盤急伸し74円高で15000円台を1日で回復

2014年06月11日 20:22

 JT<2914>は売買代金5位と買われ74円高で連日の年初来高値更新。化粧品のドクターシーラボ<4924>は8~4月期(第3四半期)の純利益が6%増の33億円と好調。通期の見通しも増収増益で、175円高で年初来高値を更新した。

 不動産は業種別唯一のマイナスセクター。三井不動産<8801>は売買代金7位ながら51円安、三菱地所<8802>は7円安、欠陥マンション問題どこ吹く風で上昇した住友不動産<8830>も26円安。施工の熊谷組<1861>は売買高9位で2円高と反発した。

 ビックカメラ<3048>は150億円規模のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(CB)発行を発表し、希薄化につながるため12円安。セブン&アイHD<3382>は3~5月の営業利益が770億円前後で過去最高という業績観測報道が出て36円高。セブンイレブンの既存店売上高は消費増税後の4月も5月もプラスだという。「無印良品」の良品計画<7453>は3~5月期の営業利益が8%増の62億円で過去最高益を更新という業績観測記事が出た。通期営業利益の観測も22%増の255億円で市場予測の247億円より高いにもかかわらず不思議な380円安で値下がり率8位。そういえばかつての親会社のセゾングループの西武百貨店の広告に「不思議、大好き」というのがあった。

 値上がり率ランキングは「低位材料株」でにぎわう。1位の名古屋のデパートの丸栄<8245>は28円高、6位のランド<8918>の終値は13円、9位は神栄<3004>、11位は新日本理化<4406>、15位は芝浦メカトロニクス<6590>。たとえデイトレのおもちゃでも、枯れ木も薄商いの山のにぎわい。

 人材ビジネスのフルキャストHD<4848>は売買高10位と買われ28円高で年初来高値を更新し値上がり率10位。前日に年初来高値を更新したLINE関連のエムアップ<3661>は60円安と利食い売りが入り値下がり率1位。エイチーム<3662>は売買代金9位と売り浴びせられ300円安で値下がり率5位。DeNA<2432>は大和証券がレーティングを引き下げ48円安で同9位だった。

 新興市場ににぎわいが戻り、日経ジャスダック平均は+1.00%、東証マザーズ指数は+2.92%。ミクシィ<2121>は510円高、ガンホー<3765>は27円高。DDS<3782>は193円高で年初来高値を更新し、フィクスターズ<3687>はストップ高の1730円高でこれも年初来高値更新。バイオ関連のカルナバイオ<4572>はがん細胞の分裂阻害薬がアメリカで特許登録されたのを好感されストップ高の100円高だった。

 エナリス<6079>は、2016年に地域独占を撤廃して電力小売の異業種参入完全自由化を実現する改正電気事業法が午前中、国会で可決・成立し353円高。自由化を見越して九州電力<9508>は5年で7000戸を目標にマンションに電力を割安供給すると報じられ11円高だった。菊池製作所<3444>は経済産業省の「ロボット介護推進プロジェクト」の補助対策機器に「マッスルスーツ」が選定されストップ高の1000円高で上場来高値を更新。ロボット関連の川田テクノロジーズ<3443>はストップ高の565円高で年初来高値を更新し値上がり率2位になったが、サイバーダイン<7779>は値動きなしだった。

 この日の主役は、多くの職場で話題になったと思われる日経新聞朝刊の「MJ2014年上期ヒット商品番付」。東横綱の「格安スマホ」に深く関わるMVNO関連銘柄は日本通信<9424>21円高、フリービット<3843>26円高、IIJ<3774>20円安。西関脇の「妖怪ウオッチ」関連銘柄はハピネット<7552>は上昇一服で9円安、任天堂<7974>は200円安、電通<4324>は5円安だったが、バンダイナムコHD<7832>は97円高。東小結に「NISA」が入った証券セクターは野村HD<8604>6円高、大和証券G<8601>3円高、松井証券<8628>5円高。東前頭筆頭に「イオンモール幕張新都心」が入ったイオン<8267>は5円高。西前頭筆頭に「あべのハルカス」が入った近鉄<9041>は1円高。東前頭3枚目の「ハリアー」のトヨタ<7203>は64円高、西前頭3枚目の「ハスラー」のスズキ<7269>は20円高。東前頭4枚目の「牛すき鍋膳」の吉野家HD<9861>は9円高、西前頭4枚目の「アボガドバーガー」の日本マクドナルドHD<2702>は5円高だった。

 全世界で約700万台が売れながら平幕にも昇進できないのがソニー<6758>(SCE)の「プレステ4」で、7月にクラウドゲームサービスを北米市場で開始してもソニーは12円安。2月に国内発売されたが販売最前線では任天堂の「WiiU」より売れていないという声がもっぱらで、それを〃番付編成会議〃が問題にして新入幕を見送ったようだ。(編集担当:寺尾淳)