日産は6月25日、近未来のハイパフォーマンスカーの可能性を示すスタディモデルとしてバーチャルスポーツカー「日産コンセプト2020ビジョン・グランツーリスモ」を発表した。
このクルマは、ソニー製ゲーム機「プレイステーション3」専用ソフト「グランツーリスモ」シリーズを開発したソフトウェア会社「ポリフォニー・デジタル」と協力し、最新のゲームソフト「グランツーリスモ6」の「ビジョン・グランツーリスモ・プロジェクト」として制作した。
「日産コンセプト2020」は、「グランツーリスモ」誕生15周年を記念した「ビジョン・グランツーリスモ」プロジェクトに登場するモデル。同車は、英国ロンドンの日産デザインヨーロッパ社の若手デザイナーが自由に夢のスポーツカーをデザインする企画からスタート。そこに日産テクニカルセンターのエンジニアによる技術的なフィードバックを織り込んで完成した。そのスタイリングは今後の日産製スポーツカーのデザインに影響を与えるモデルといえる。
同車は、ラフスケッチから完成まですべての工程に最新のデジタルデザインツールを使い本格的なコンセプトカーとして開発。加えて、神奈川県・厚木の日産テクニカルセンターの空気力学の技術チームが協力し、空力特性に優れたエモーショナルなボディラインが完成した。2+2列シートのスポーツカーには見えないレーシングカーのようなデザインはバーチャルカーながら、現実感のあるスタイルだ。日産の歴代パフォーマンスモデルのデザイン資産を受け継ぎつつ、スタディモデルらしい未来的要素をも持ったスポーツカーである。
日産デザインヨーロッパ社のバイスプレジデント長野宏司氏によると、「現実世界では、『日産コンセプト2020』のようなスポーツカーを所有することはできないかもしれません。が、このモデルが『グランツーリスモ』に収録されることで、誰でもこのクルマを運転することが可能となり、日産ブランドによる、わくわくするようなイノベーションが体験できます」と語った。
このコンセプトカーのフルサイズモデルは、6月26日から英国で開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2014」の日産ブースで公開となる。(編集担当:吉田恒)