安倍内閣は前日夕方の臨時閣議で「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」「新・成長戦略」「規制改革実施計画」を閣議決定し、安倍首相が記者会見して説明した。法人実効税率を2015年度から数年間で20%台に引き下げるほか雇用、農業、医療の分野での「岩盤規制」の撤廃・緩和も列記。ほとんどが報道済みの素案通りで、ポジティブサプライズもなければ大きな失望を買うような変更もなかった。
日経平均は79.00円安の15297.24円で始まる。TOPIXもマイナス。日経平均は10時15分に15267円まで下落する。「新・成長戦略」発表の影響はニュートラルとみられ、NY市場のリスクオフ大幅安の影響で下落した。同じ要因で上海市場も香港市場もマイナスで始まる。下がれば買いサポートの手が入って15350円付近まで戻す場面もあったが一時的で、前引は15311円だった。後場は前引とほぼ同じ水準で始まり、おおむね15280~15300円の20円幅で膠着した値動きが続き、ほとんど動かなくなる。日経平均は大引け直前にグッと下げ終値は109.63円安の15266.61円と3ケタの反落。日中値幅は82円しかなかった。TOPIXも-7.67の1260.83と反落。売買高は18億株、売買代金は1兆6325億円と伸び悩んだ。
全セクター下落で、マイナス幅が小さいのは石油・石炭、空運、建設、小売、不動産、倉庫など。大きいのは保険、繊維、その他金融、水産・農林、機械、その他製品など。
25日のNYダウは49ドル高で3日ぶり反発。NASDAQは29ポイント高で14年ぶりの高水準。1~3月期の実質GDP確報値(年率換算)が発表され、1.0%減から2.9%減に大幅下方修正され市場予測を下回ったが、「大寒波のせい」で済まされNYダウがマイナスだったのは序盤のみ。4~6月期は回復という見方は揺るがず午後は尻上がりに上昇し前日下落分の約4割を取り戻した。26日朝方の為替レートは、ドル円は101円台後半で円高が進行、ユーロ円は138円台後半で円安が進行していた。
日経平均は53.52円高の15320.13円で始まり、6月、12月決算銘柄の予想配当落ち分13.60円をカバーした。TOPIXもプラス。午前9時4分に15345円まで上昇した後、序盤は15310~15330円で小動きする。9時30分頃から下落して15300円を割り込み9時56分に15279円まで下げるがマイナスにはならず、10時台後半には15300円台を回復する。ドル円の円高進行にもかかわらず堅調で、序盤の15310~15330円の水準に戻って前引は15314円だった。
後場はほぼ前引水準で始まるがすぐ15300円を割り込み下落の一途。為替は円高方向。午後0時48分に15278円まで下げた後は15280~15300円で小動きする。それでも2時前に為替が円安方向に変わり、15300円を突破して2時30分頃には15330円付近まで上昇するが、15分ほどで15300円割れまで押し下げられる。終盤15300円前後で、終値は41.88円高の15308.49円と反発。日中値幅は67円と小さかった。TOPIXも+2.60の1263.43と反発。売買高は19億株、売買代金は1兆7340億円。27日に950社以上が集中するピークを迎える株主総会が終わるまで売買を手控える動きで商いは薄くなった。
プラス上位は金属製品、電気・ガス、情報・通信、サービス、非鉄金属、建設など。マイナス下位はゴム製品、ガラス・土石、繊維、石油・石炭、その他製品、化学工業など。
26日のNYダウは21ドル安と反落。一時は100ドルを超える下げだった。NASDAQ総合指数は0.71ポイント下落。新規失業保険申請件数、個人消費支出が市場予測より悪かった上に、セントルイス連銀のブラード総裁のタカ派発言も悪材料視された。量的緩和終了後の来年1~3月期末に「最初の利上げが実施される可能性がある」と述べ早期利上げ懸念が再燃した。それでも債券市場が反応薄で、経済指標で景気回復に疑問符がつけられて長期金利が下落したため終盤には徐々に下げ幅を縮小した。27日朝方の為替レートは、ドル円は101円台後半、ユーロ円は138円台前半で円高に振れていた。