【今週の振り返り】海外に波乱要因の種尽きず254円下落した週

2014年06月29日 00:35

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太平の「ゴルディロックス」の眠りを覚ます3匹のクマ。シリア、ブラード、アルゼンチン。

 日経平均は22.78円安の15285.71円で始まる。午前9時台に15260円近辺まで下げた後、9時32分には15293円まで上昇し、そこから15250円台まで再び下落。10時18分の15250円で底を打って15270円台まで戻った後はしばらく落ち着いていたが、為替の円高とともに11時頃から15210円台まで下落した。前引は15213円だった。

 後場は15157円と下げ幅をひろげて再開し、たちまち15100円を割り込む。ここまで下げた悪材料はアルゼンチンの債務問題。アメリカ連邦地裁がアルゼンチン政府に2001年の債務不履行(デフォルト)の際の支払い猶予を認めないという判断を示し、再デフォルトの懸念が高まった。リスク回避で円が買われ、日経平均は先物主導で午後1時9分には15027円まで下げて15000円に急接近。

 しかし15000円は心理的な節目で、15007円には前日時点の25日移動平均線があり、その「ダブルサポート」で反転して徐々に値を戻し1時45分頃には15100円台を回復する。どうやら売り仕掛けの理由づけにアルゼンチンが利用され、欧米市場のリスクオフ、高値圏の高所恐怖症的心理、利益確定売りの金曜日、株主総会通過待ちの地合いなどが複合してうまくハメられてしまったらしい。2時台後半にも15100円を割り込むが今度は底堅く、終値は213.49円安の15095.00円で3勝2敗、前週末20日の終値から254.42円下落して今週の取引を終えた。今週は6週間ぶりにマイナス。後場の波乱で日中値幅は266円もあった。TOPIXは-10.28の1253.15で日経平均同様反落。売買高は25億株、売買代金は2兆985億円で久々の大商いになった。

 プラスはその他金融、電気・ガス。マイナスで下落幅が小さかったのは輸送用機器、空運、情報・通信、鉄鋼、医薬品など。大きかったのはゴム製品、金属製品、石油・石炭、ガラス・土石、保険、精密機器などだった。(編集担当:寺尾淳)