【今週の展望】次の上昇期に備える値固めの時期ではないか

2014年09月28日 20:07

 30日はインド準備銀行の金融政策決定会合、2日は注目のECB理事会で終了後にドラギ総裁が記者会見を行う。5日はブラジルの大統領選挙の投票日で、決選投票になった場合は26日が投票日。5日からオーストラリアが夏時間に移行し、為替、株式のシドニー市場が開く時間が1時間早まる。

 アメリカ主要企業の決算は、29日はシンタス、30日はウォルグリーン、10月2日はマコーミック、コンステレーション・ブランズが発表する予定。

 前週の日経平均はNYダウが3ケタ下落しても、24日は16094円、26日は始値の16087円で踏みとどまり、16000円の大台を一度も割り込まなかった。ピークは25日の高値引けの16374円だったが、この日は「権利付き最終売買日」という特殊な要素があるので、配当権利落ち分の91円を差し引いて16283円まで上昇し、前週は16000~16300円の300円幅で動いたと考えればいい。これが今週の値動きを予測する際の目安になる。

 東京市場は前週なぜ、底堅く健闘したのか? 「GPIFの買い」「日銀のETF買い支え」「個人投資家の押し目買い」など理由はいろいろ言われているが、やはり最大の支えになったのは、アメリカのVIX指数(恐怖指数)が上昇しようと、NYダウが大幅下落しようと、ユーロが対ドルでズルズル弱くなろうと、FRBの利上げを織り込んだアメリカの長期金利の先高感が根強くあり、ドル円が108~109円台を保っていたことだろう。国内では円安デメリット論が沸き起こっているが、それでもやはり株式市場について言えば「円安は全てを癒す」なのである。

 今週は9月から10月に月が変わるが、「イスラム国」のシンパが欧米で恐ろしい出来事でも起こさない限り、前週の為替の水準をそのまま維持してドル円は108~109円台で小動きするとみる。もし2日のECB理事会の決定でユーロが動いたとしても、ドル円レートへの影響は大きくはないだろう。そうすると日経平均は「30日はドレッシング買い、週の後半はアメリカの雇用統計待ちの様子見」で多少は凸凹するとしても、その終値は前週の配当落ち修正値と同じく16000~16300円の変動レンジで推移するとみる。

 結論を先に出してしまったが、26日の日経平均終値16229.86円をめぐるテクニカル・データをくわしく分析してみよう。相変わらず高値圏を飛ぶ「孤高の鳥」だが、19日時点とは周囲の状況が少し変化している。

 最も大きな違いは5日移動平均線(16259円)よりも下に位置していること。5日線は16027円から16259円にはね上がった。今週はこれが上値抵抗線(レジスタンスライン)の一つとして作用しそうだ。その他の移動平均線は25日線が15669円から15806円に、75日線が15401円から15464円に、200日線が15092円から15105円にそれぞれ上昇し、前々週の急騰から日数が経過してテクニカル的にはこなれてきている。

 一目均衡表の「雲」は、19日は15200~15256円だったのが26日は15190~15256円で下に10円厚くなっただけだが、「2回のねじれ」の不安定期を通過したので今後は次第に厚くなり、安定感を増しながら上空に昇っていく。

 ボリンジャーバンドとの位置関係は19日時点とは大きな違いがある。19日は25日線+2σ(第2標準偏差)よりも上に位置していたが、その後、+2σのラインが16142円から16363円へ大きく上昇したため26日終値はその下に位置している。前週はこのラインもザラ場の上値抵抗線の役割を果たしていた。さらに言えば、26日時点で16084円の25日線+1σ(第1標準偏差)は下値支持線(サポートライン)の役割を果たしていた。今週も前週の続きになると考えると、16084~16363円に配当落ち修正をかければ15993~16272円。今週の日経平均終値の変動レンジを16000~16300円とみる最大の根拠はこの点にある。

 前週は値固めがうまくできたので「買われすぎ」も緩和されてきた。12日は131.4、19日は119.1だった騰落レシオは111.6に低下。サイコロジカルライン(12日)は19日の8から7に低下。25日移動平均乖離率は19日の4.16%から2.67%に低下。ストキャスティクスの9日Fastも88.28から80.20に低下した。それでも大きく上値追いができる態勢が整うのは、今週末にアメリカの雇用統計が出て、翌週の「鬼門」のSQ週を通過した後の10月14日以降ではないかとみる。今はそれに備える値固めの時期なのではないか。

 現状では、為替レートは円安が進んだ水準で安定し、需給は「GPIF、日銀、個人」という「三本の矢」で下支えされ、外国人も3週連続買い越しと戻ってきている。今週あたりから4~9月中間期の業績観測記事が盛んに出てきそうな企業決算は、ソニー<6758>のような不良もいるがおおむね順調。政策も、安倍内閣は出し惜しみ発言をして「補正予算」という切り札を温存している。やはり海外要因、それも一発で状況を真っ暗にしてしまう地政学的リスクが一番怖い。「良い戦争も悪い平和も、あったためしがない」(ベンジャミン・フランクリン)(編集担当:寺尾淳)