9月26日、総務省が2013年分の政党交付金使途報告書を公表した。公表された金額は前年比16.8%増の356億74,00万円で、増加分は13年7月の参院選の影響で政治活動費が34.1%増加したことが主な要因だった。毎回国政選挙がある年には政治活動費の支出が増える傾向にある。
政治と企業団体との癒着を防ぐためにつくられた「政党交付金」―その政党交付金が国民の思いとは違う使われ方をしているとしたら、私たちの税金は正しく使われているといえるのだろうか。
9月26日、総務省が2013年分の政党交付金使途報告書を公表した。公表された金額は前年比16.8%増の356億74,00万円で、増加分は13年7月の参院選の影響で政治活動費が34.1%増加したことが主な要因だった。毎回国政選挙がある年には政治活動費の支出が増える傾向にあり、今回もその傾向に沿った結果となった。
増加した政治活動費の中でも、13年分で著しく増加したのがテレビコマーシャルなどの宣伝事業費だ。前年比で約4倍強の115億9,700万円と、他の項目と比較しても段違いの増え方を見せている。例えば、自民党の宣伝事業費は38億円と前年と比べて39倍に膨らんでいる。民主党も約43億円を支出しており、両党で約80億円が政党の宣伝費に使用されたことになる。
この政党交付金は「政党の活動を支援する」という性質上これまでも議論を呼んできたが、問題の本質は政党交付金の公開が完全には義務付けられていないことだ。どこまで公開するかは各党の判断に委ねられており、現に今回も自民党は宣伝事業費38億円のうち27億円を同党の関連企業である広告代理店「自由企画社」を支払ったという記載のみで済ませている。その詳細な中身は公開されておらず不明だ。
本来クリーンな政治を目指す政治改革の一環として作られた政党交付金の制度だが本当にクリーンかは疑問といわざるを得ない。過去には社会民主党の新党名普及キャンペーンに4億744万円が使われたり(96年)、自民党の税金の支払いに充てられたりしたこともあった(99年、00年、01年)。これまでも問題があったにもかかわらず、今年7月には振り込みの明細書の写しの余白に支出目的を記せば良くなり、逆にルールが緩められてしまった。国民が税金から支出される政党交付金が適切に使われることを望んでいることは明らかだ。ルールを緩めるのは国民の思いに反する行為だ。逆により厳格なルールを目指す必要があるだろう。(編集担当:久保田雄城)