日本郵便が保育所運営大手のJPホールディングス<2749>と手を組み、さいたま中央郵便局(さいたま市南区)敷地内に認可保育所を設置するとの発表を17日に行った。こうして郵便局内に認可保育所が設置されるのは、初めてのこととなる。日本郵便としては不動産を有効活用することで収益力を高めるとともに、今後の日本経済を成長させるために必要とされている女性の社会進出、それを阻む大きな壁である待機児童解消につなげたい考えだ。
日本郵便によれば、JPホールディングスの子会社である日本保育サービスがさいたま中央郵便局元駐車場にて休憩施設として利用していた建物の1階部分の改装を行い保育所とし、日本郵便と賃貸契約を結び運営を行う。また駐車場だったスペースについても屋外遊技場として整備するという。認可を申請している保育所は「アスク武蔵浦和保育園」で2015年4月に開業予定。保育所の定員は60人で、0歳から5歳が対象年齢となっている。
日本郵便が郊外に大型物流拠点を置いたことにより、郵便局に空きスペースが生まれた。その空きスペースを有効活用するため、まずはJPホールディングスと手を組みさいたま中央郵便局敷地内に認可保育所を設置。日本郵便としては今後も、空きスペースや立地の安全性を確認しながら、徐々に保育所の数を増やしていきたいとしている。
現在、都市部では認可保育所として活用することのできる広い土地の確保が難航しており、そのため女性の社会進出を阻む待機児童解消が進んでいない。しかし、今後日本経済を成長させるためには高齢者の再雇用と女性の社会進出が大きな鍵を握っている。日本郵便としては今後もほかの郵便局の空きスペースについても保育所としての活用が可能かどうかを検討し、その数を増加させることで待機児童解消、ひいては女性の社会進出をサポートしたい考えだ。
待機児童の解消は女性の社会進出だけでなく、今後の出産率にも関わってくる大きな問題だ。子育てのための環境が整えばそれだけ子供を作ろうと考える若年層の夫婦も増えることだろう。将来の日本経済の担い手を1人でも増やすためにも、こうした取り組みは積極的に行われるべきだろう。(編集担当:滝川幸平)