日銀の追加金融緩和 円安はどこまで続く?

2014年12月05日 08:37

画・日銀の追加金融緩和 円安はどこまで続く?

政府はアベノミクス政策によってインフレを2%にすることを目標に掲げ通貨供給量を2年で2倍にする意向を明らかにしていた。この円安が続けば株価、不動産価格の高騰に続きさまざまな物価が上がり給料も上がる、それにより景気が上向く可能性もあるが。

 政府はアベノミクス政策によってインフレを2%にすることを目標に掲げ通貨供給量を2年で2倍にする意向を明らかにしていた。安倍バブルとまで言わしめたこの円安が続けば株価、不動産価格の高騰に続きさまざまな物価が上がり給料も上がる、それにより景気が上向く可能性もある。

 日銀による量的・質的金融緩和などの影響もあり一ドル117円93銭となっている(11月25日午後18時)。大胆な金融緩和を実施した当時の一ドル99円台を考えると約18円の円安という驚くべき効果が出ている。これにより、輸出の増加に伴って経済にプラスの影響を与える。しかし、果たして手放しで喜んでよいのだろうか?

 確かに輸出の方面から見ると好印象を受けるが、輸入という側面から見ると芳しくない。というのも単純に円安が進めば輸入価格が高騰し、仕入れ単価の上昇につながる。販売価格に顕著な変化をつけていない中、企業の収益を圧迫しているというイメージが強い。特に発電用原料のほとんどは輸入で賄っているが、輸入量を減らすということは難しく、円安の影響をそのまま受ける。このまま円安が進めば二極化が進んでいくだろう。円安で負担が増している企業へのケアへと還元するのかも注目したいところである。

 デフレ脱却を目標に進めている円安であるが、輸入飼料の値上がりになどよって確かに畜産品の値段が上昇しているものの同時に行われた増税による消費者の購買欲低下などが作用してスーパーなど小売店は特売などで工夫をすることで消費者つなぎとめているが、それによって物価上昇を押しとどめている可能性がある。株価上昇など金融市場は活発に動いているが、それが消費行動には結びついていないというのが現実だろう。実質賃金の根本的改善にまで至っていないことは明らかである。このまま期待し続けてよいのかというのも今度の総選挙で問いたいところだ。(編集担当:久保田雄城)