江渡聡徳防衛大臣は16日の記者会見で、普天間飛行場の代替施設の名護市辺野古への建設について「移設によって普天間飛行場というものは全面返還されることになり、沖縄の負担軽減に十分資すると考えている」と話し、計画通り、工事を進めていく考えを強調した。
また「基本的な姿勢として日本全体の安全保障の観点ということも踏まえ、私たちはこれが唯一の解決策だというふうに考えている」とこれまでの政府見解を重ねて示した。
江渡防衛大臣は「政府としては法令に従い、淡々と普天間飛行場代替施設建設事業を進めて参りたい」と語り、「防衛省としても、移設されるまでの間においても、沖縄の基地負担軽減をできるだけ目に見える形で進めていくためにもKC-130の飛行隊の岩国飛行場への移駐を進めた(8月26日に完了)し、オスプレイの沖縄県外の訓練等の実施、普天間飛行場をはじめとする嘉手納以南の土地の返還といった施策も着実に実施して、沖縄の皆様にできるだけ多くの負担軽減を実感していただけるように、引き続き、全力を尽くして取り組んでいくかんがえでいる」と語った。
また、江渡防衛大臣は「防衛省としては、あくまでも普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移設の意義、負担軽減に関する考え方を粘り強く沖縄の皆様に説明し、普天間飛行場の危険性の除去のためにも、一日も早い普天間飛行場の返還とキャンプ・シュワブへの移設に向け、全力で取り組んでいきたいと考えている」と方針変更の考えはない旨、色濃く語った。
移設の利点について、江渡防衛大臣は(1)オスプレイなどの運用機能、そして空中給油機の運用機能、緊急時に外部から多数の航空機を受け入れるという基地機能のうち、辺野古に移る機能というのはオスプレイなどの運用機能のみで、他の機能は本土に移転される(2)辺野古で埋め立てる面積は全面返還される普天間飛行場の面積と比べ3分の1以下と大幅縮小される(3)訓練等で日常的に使用する飛行経路は、現在の市街地上空から移設後は周辺の集落から数百メートル離れた海上になり、騒音も大幅軽減され、住宅防音が必要となる世帯がゼロになる、などをあげた。(編集担当:森高龍二)