生活の党の小沢一郎代表は農業政策について「競争力のある農産物だけを育てる農業政策は日本の食糧自給率を上げていく方向と逆行する」と安倍政権がめざす農業政策の負の部分を強く懸念した。
小沢代表は「安定した国家経営のためには食糧自給率を高めることが必要」と強調し「初期資本主義の段階で生産性の高い工業製品に力を入れ農業を切り捨てたイギリスは、その反省から農業政策にも予算をつぎ込み、現在の食糧自給率は70%程度までになった。ドイツは100%、フランスは120~130%、アメリカやオーストラリアはもっと高い」とした。
また小沢代表は「食糧自給率を高めることは国家経営のためにも、食糧安全保障のためにも、経済社会を円滑にしていくためにもどうしても必要なこと」と農業政策の中で、基軸に置くべき視点であることを提起した。
そのうえで、小沢代表は「日本の食糧自給率は40%を切っている。私は本来100%にすべきだと思っている。日本には耕地面積も十分ある。遊休地をフル活用して適地適産をしていけば主要穀物を完全に自給していくことは十分可能。コメは北海道から九州まで耕作できるようになったので、コメ作りはある程度制限し、その分を大豆や麦、畜産、酪農などに向けていけばいい」と語った。
また、小沢代表は「農業は他産業に比べ生産性が低いのは仕方ない。私は農業に自由競争の原理を導入して勝ち組だけを育てるというやり方は全く日本のためにならないし、資本主義の歴史にも民主主義の原理にも反すると思っている」と農業政策の立ち位置を変えて、取り組む必要を提起した。(編集担当:森高龍二)