5日の日経平均は3日ぶりに小幅反発。NYダウは106ドル安で続落。ADP雇用レポートが市場予測に届かず雇用統計への悲観ムードが出た上に、カンサスシティー連銀のジョージ総裁が「完全雇用」という言葉まで出して年央の利上げに言及した。イエレン議長より小物とはいえ口から先は世間。完全の否定は簡単にできる。CME先物清算値は18695円だが日経平均はそれより安い18658円で続落スタート。しかし序盤下げ渋り、午前9時30分までにTOPIXに先導されてプラスに浮上。9時56分に18757円まで上昇し、押し目買いに押し目なし。10時台は18750円前後のプラス圏でもみあい、中国の全国人民代表大会(全人代)が開幕し年間GDP成長率目標を7.0%に引き下げて上海市場が安く始まっても、東京市場はすでに織り込み済みなのか影響なし。11時16分には18767円の高値を取り前引けは18735円だった。後場はやや高寄りして始まり、午後0時台に前日終値を割り込みそうになってもアッという間にV字回復。1時台にもマイナスまで落ちる局面があったが同様で、2時台にももう1回。そのあたり、下落したらただちに買い出動する勢力の存在が見え隠れする。為替のドル円は119円台後半で安定。終盤は18750円を突破して大引けは18751円だったが、ECB理事会、雇用統計待ちでザラ場でも18779円の5日移動平均線に届かなかった。メガバンクや医薬品セクターが好調でTOPIXは日経平均を超える上昇率だった。
日経平均終値は48.24円高の18751.84円、TOPIX終値は+6.71の1523.72。売買高は18億株で20億株に届かず、売買代金は2兆1555億円。値上がり銘柄数は927、値下がり銘柄数は794。繊維、医薬品、鉱業、電気・ガス、銀行、その他製品など21のセクターが上昇し、金属製品、建設、不動産、ガラス・土石、空運など12のセクターが下落した。
6日の日経平均は大幅続伸。ECB理事会の結果は9日からユーロ圏の国債を買い入れる決定。ギリシャ国債は除外するがギリシャへの緊急金融支援は拡大。量的緩和実施でドルはユーロにも円にも強くなりドル円レートは120円台に乗った。NYダウは雇用統計待ちで上値が重く38ドル高だったがCME先物清算値は18885円。日経平均は18814円と18800円台を回復して始まる。序盤から先物主導でグングン上昇しCME清算値にさや寄せした後、9時31分に18900円を突破。9時53分に18950円まで上昇して4日ぶりにザラ場中の昨年来高値を更新した。ドル円は一時120円を割り込み円高に振れるが、意に介さず10時台は18965円の高値を取った後、18900円台前半で安定的に推移する。年金とみられる買い勢力はかなり強力に買い支えていた。11時台にやや値を下げるが18900円を割ることなく、前引けは18939円だった。
ドル円が120円台に戻った後場はさらに上昇し午後0時45分に18979円の高値をつけ、19000円まであと21円。そこから下げて18900円を割りそうになっても結局割らずに回復し底堅い。18900円台中盤の静かな小動きが終盤まで続き、雇用統計待ちの様子見で持ち高を調整する動きも「利益確定売りの金曜日」もどこへやらで主力銘柄の買いは旺盛。大引けは少し機首を上げ終値は19000円まであと29円に迫ってフィニッシュ。日経平均先物の日中取引は18990円で高値引けした。
日経平均終値は219.16円高の18971.00円、TOPIX終値は+17.12の1540.84。売買高は21億株、売買代金は2兆5530億円。値上がり銘柄数は1166、値下がり銘柄数は549。29業種が上昇しその上位は精密機器、証券、食料品、不動産、化学、医薬品、ゴム製品など。パルプ・紙、非鉄金属、鉱業、海運の4業種が下落した。
3月第1週は3勝2敗。前週末2月27日の終値から173.06円上昇し、4週続けてプラスの週になって今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)