株式会社帝国データバンクは、23区における企業分布についての調査を行った。
区毎の企業数の分布では、東京23 区に本社を置く17 万5538 社中で最も多いのは港区の1万8484 社(10.5%)。次いで千代田区の1万5708 社(8.9%)、次に中央区の1万5419 社(8.8%)、渋谷区は1万3907 社(7.9%)、新宿区は1万2497 社(7.1%)となった。一方、最も企業数が少なかったのは、荒川区の2724 社(1.6%)。次いで、北区(1.8%)、中野区(2.0%)、目黒区(2.2%)、葛飾区(2.3%)となった。
10 年前と比較すると、港区・中央区・千代田区の上位3区で全体の3割(28.7%)を占めていることに変化はなかったが、練馬区が順位を上げた(17 位→14 位)。一方下落したのは台東区(6位→8位)、墨田区(14 位→16 位)、文京区(15 位→17 位)。大半の区では10年前より企業数が増加していたが、台東区・墨田区・荒川区の3区は企業数が減少した。
業種別では、23 区全体中、「サービス業」が最も多く、34.4%。次いで、「卸売業」(19.4%)、「建設業」(13.8%)となった。10 年前との比較では、「サービス業」の構成比が7.5 ポイント拡大し、社数ベースでも38.9%と増加した。一方で、「卸売業」(5.2 ポイント減)、「製造業」(4.7 ポイント減)の構成比が低下。社数ベースで見ると、「製造業」が10 年間で25.9%減少。
「サービス業」の割合が最も高かった区は渋谷区(50.9%)。続いて港区の48.8%、新宿区の46.9%。「卸売業」の割合が最も高かったのは台東区(38.2%)、墨田区(29.6%)、中央区(27.4%)。「製造業」の割合が最も高かった区は荒川区(21.3%)。墨田区(21.1%)、大田区の(20.5%)
以上より、この10年間の変化として、1)企業数は、港区・千代田区・中央区がもっとも多く変わらない。2)業種別では「サービス業」が増加しており、「卸売業」「製造業」が減少。それに伴いこれらの産業の多い、3)台東区・墨田区・荒川区の3区は企業数が減少している。
23区といえども、新興住宅地や工場の多い街、下町の風情が残る街など区によって特色が異なる。レポートは、2020 年に開催される東京オリンピックに向け大規模開発や再開発
エリアの拡大が予想されるが、それに伴い企業が賃料や契約条件面で拠点を見直す動きが進み、今後数年間で、エリアごとの特徴が変化する可能性も否定できない」と締めくくられている。これからの行方は。(編集担当:堺不二子)